銀行員の仕事内容とは?やりがいと厳しさ混じる体験談11

銀行員の主な仕事内容は預金・貸付・為替の三大業務です。金融業らしく常に勉強せねばならず、融資の際も厳しく判断しなくてはいけない大変さもありますが、夢を叶えるお手伝いが出来る銀行員は魅力的な職業です。今回は銀行ならではの業務を中心に、銀行員の仕事について体験談と共に解説します。

銀行員の仕事内容とは?やりがいと厳しさ混じる体験談11

銀行員の仕事内容を知ろう

銀行員というと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。「お堅い安定した仕事」「現金が1円でも合わないと帰れない」あたりの意見が多いでしょう。しかし、はっきりと「こういう仕事!」と断言できないのではないでしょうか。今回は曖昧にしか知らなかった銀行員の仕事内容について、詳しく紹介します。

銀行員の仕事には総合職と一般職がある

お客様のお金を処理する銀行員

銀行で働いている人たちは基本的に「総合職」と「一般職」の2種類に分かれています。責任の度合いや基本給の差、転勤の有無等、両者には違いがあります。

総合職とは?

幹部候補生として働く人達を総合職といい、将来は管理職になることを期待されているため仕事内容が多岐に渡ります。転勤や部署異動が多く、繰り返しながら幅広い分野の知識やスキルを身につけ、いずれは銀行の管理職へとキャリアアップしていきます。

総合職は責任が重く、仕事に慣れたころに異動や転勤を命じられることがあるため大変ですが、社宅の利用や給料の面で一般職よりも待遇が良いという特徴もあります。

一般職とは?

特定の部署で特定の仕事を長くこなす人たちを指し、銀行の窓口で手続きをしている社員はほとんど一般職と考えて差し支えありません。総合職と違い頻繁な転勤や異動がなく、残業や休日出勤が少ないですが、キャリアアップがありませんので昇給もあまりありません。しかし多くの銀行には総合職へのコース転換制度がありますので、条件を満たしていれば一般職からコース転換も可能となっています。

銀行の三大業務

銀行員の仕事内容は、大きく分けて「預金業務」「貸付業務」「為替業務」の3つに分類できます。銀行の三大業務と呼ばれており、そのどれもでミスのない処理を求められます。

預金業務

預金業務とは、個人・企業からお金を預かり管理することを指します。普通預金や定期預金、当座預金を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

貸付業務

貸付業務は、個人が住宅を建てたり企業が運転資金を確保したりといった、お客様に大金が必要になったときに貸し出すことです。銀行は顧客から、貸したお金と一緒に手数料を支払われることで利益を得ます。

融資を行う際には、顧客への貸付期間や金額が適切かどうかを判断します。もしも融資した先が倒産や破産をして資金を返せなくなってしまうと銀行が損害を負ってしまいますので、銀行員は冷静に融資先の財政状況等の調査をしなくてはいけません。

為替業務

の口座に送金したり、小切手や手形の代金を受け取ったりするのが為替業務の内容です。分かりやすい例をあげるなら、電気やガス料金といった公共料金の支払いを定期的に自動で引き落とす、いわゆる口座振替も為替業務の一環です。最近はインターネット等を使った為替サービスを提供している銀行も多くあります。

銀行員の代表的な仕事内容

トレイに入っているお金

銀行が請け負う仕事は幅広い分野に渡っているため、業務内容ごとに担当が分かれています。本人の希望や適性に合わせて、それぞれの担当に振り分けられることになります。また、大手の銀行になると通常の企業同様に、人事や企画、マネジメントといった仕事を担当する銀行員もいます。

1 窓口担当

窓口でお客様の要望を聞きながら業務をこなすのが窓口担当の仕事です。公共料金の口座振替や振り込み等、銀行が提供している様々なサービスについて知っていなければいけません。また、接客業のため銀行の顔として高いコミュニケーション能力が必要とされています。

2 渉外担当

他の一般的な会社でいうところの営業マンのような、新規開拓や既存先の定期預金や年金等の相談や説明をするといった仕事をしています。

3 融資担当

銀行らしい仕事として、融資担当があります。融資担当は企業等に資金を融資するのが仕事ですが、その際に相手の財政状況や将来性を見ながら融資すべきか否かを判断します。融資先に返済能力がないと銀行が損害を負うことになるので厳しく判断しなくてはならず、責任も重い仕事ですが、企業の成長を助けられるという一面もあります。

事務職銀行員の仕事内容体験談

ミス出来ない仕事

りんご(41歳 事務職)


9:00~17:00までが勤務時間で、休みは土日祝なので月によって異なりますが8~10日が休みです。私の仕事は確定拠出年金を取り扱う事務で、各企業の年金申し込みや運用の管理をしていました。

業務で大変なのは、ミス出来ないことです。評価は減点主義なので、何か素晴らしい提案をして表彰されるというよりは、いかにミスなく出来たかを見られます。ダブルチェックを先輩に頼む時も気を使うことが多いです。

大変なことは多いですが、金融商品の知識を身につけるとさまざまな場面で助かることが多いです。資格も取得出来たので、今後も活用していきます。

融資担当業務

梅子(32歳 事務職)


勤務時間は8:45~17:15で、土日祝が休みです。朝は社内ミーティングから始まり、日中は個人ローンの受付・実行と法人融資事務処理を行い、午後3時以降は1日の融資事務の締め作業や書類整理を行っています。

取り扱うローンの詳細がよく改定されますし、住宅ローンも普遍的でない複雑な案件が多いので日々勉強が必要です。加えて金融に関する資格取得も奨励されるので、休日は勉強に時間を取られることもあります。

しかし、お金とは誰しも生活に関係する物なので、仕事上の知識が自身の生活にとても役に立っています。また、関わったお客様が笑顔で帰られていく事でお客様のお役に立てたという満足感が得られます。

お客様の人生に関わる大切な仕事

さくさくぱんこ(28歳 事務職)


私の勤務時間は8:30から17:00まででしたが、清掃などがあったため15分前には職場に着くよう心がけていました。休日は土・日・祝で、月に8日は休みがありました。

仕事内容は、お客様からお預かりしたお金を定期預金にしたり、普通預金からの入出金処理を行うことが基本業務で、投資信託などの運用商品をご案内することもありました。

仕事上における大変なことについては、証券外務員などの資格取得、専門用語を分かりやすくお客様に伝えるという点で苦労しました。聞きなれない言葉が多く、分かりやすい説明を行うために先輩に指導いただき乗り越えることができました。

この仕事をしていてよかったと感じる点は、お客様との絆を深めることができたことです。次第に顔も覚えてもらえるようになり、話しかけてもらえるととても楽しいと感じるようになりました。

銀行員時代の思い出

なおこママ(27歳 事務職)


私は昔、銀行(正確には信金・信組ですが)で働いていました。勤務時間は8時半から17時半で、基本土・日・祝は休みですので、月に8日ほどは休みでした。

窓口が空いている9時から15時は来店客の対応をしたり、電話で既存客に新商品の案内や定期預金満期の案内をしたりします。窓口が閉まってからは外回りの方が現金を持って帰ってくるので、店舗としての在高計算をします。基本的には一致するのですが、たまに合わない時があり大変です。よく言われる話ですが、もし現金が1円でも合わない場合は何時になろうが本当に帰れません。1枚1枚伝票をめくりながら、入力ミスがないかどうか確認していきます。

大変なことも多いですが、お客さんに良い提案ができた時にありがとうと言って貰えたり、あの子に対応して欲しいと指名されたりするとやってて良かったなと感じます。

銀行員の一日

みんみあ(40代、派遣社員)


9時から17時までが勤務時間ですが、17時前後で終業出来るのは水曜日位で、後の曜日は17時を過ぎてしまいます。土日祝日は確実にお休みでしたが、お盆休みは交代で休みになり、お正月は三が日以外出勤です。

私は銀行内で、市民税や県民税等、バーコードの付いた払込用紙の計算をする払込収納を担当していました。業務的にはさほど難しくないので、手形交換所に行き為替の計算もやっていました。銀行内にいる皆が多忙にならないように、役割は平等に割り振られていました。

仕事で大変なことは、一人でも計算間違いをしていると数字が合わず、合うまで帰れなくなることが一番大変です。銀行員で良かった点は、ほぼ毎日数字しか書かないので数字に強くなりました。

数字の1を持つ男

忙しかったけど接客が楽しく充実した日々

斎藤 京子(38歳 事務職)


勤務時間は8:30~17:00でしたが、なかなか時間内に仕事が終わらずほとんどの日が残業でした。休日は、土日と祝祭日に完全に休むことができました。

銀行員には係替えが有り、私は普通預金、為替、融資を経験しましたが、融資係の経験が一番長く、色々と勉強になりました。窓口でお客様に融資の申込書を書いて頂く所から始まり、最後は実行して口座に入金するまでが融資の仕事です。

銀行の仕事には繁忙日が月末月初の他にも沢山有り、とても忙しいです。やってもやっても仕事が終わらない時は、このまま帰れないのではないのかと思うくらい大変でした。また、計算をして1円でも合わないと帰れないのも辛かったです。

しかし、楽しいこともありました。私の場合は接客している時で、銀行員だった時は責任ある仕事を任されて、充実した生活を送っていました。

営業職銀行員の仕事内容体験談

きついノルマとやりがい

mekameka(34歳 営業職)


銀行の営業職を現在もやっています。定時は8:40~17:00ですが、実際は7:40~19:00か20:00が普通です。

仕事の内容は営業職なので、顧客を担当して銀行の取り扱うすべての商品を販売することです。営業なのでノルマがあり達成を厳しく求められますので、そういったのが苦手だとキツイでしょう。また、減点方式の評価なので失敗の責任を押し付けられることが結構あります。

とはいえ働いていて良いこともあり、お金の大事さを改めて実感できます。また、様々な事業の顧客を担当するので様々な業種の仕事を見られるのは楽しく、そして営業職は融資などを通して顧客の成長を助られることが達成感に繋がります。やはり顧客にとって大きな案件をまとめて感謝される時、そしてその事業が上手くいっているのを見る時は非常に嬉しくなります。

元バンカーが語る第二地方銀行の現実

おさむ(40歳 会社員)


私は元銀行員ですが、第二地方銀行に勤めていました。銀行の勤務時間は8時15分~17時30分でしたが、セキュリティの関係で8時15分になるまでは営業店には入れず、終業時間も一応は17時30分ですが、毎日残業の日々で21時に帰るという一日でした。しかし、毎週水曜日(月末週を除く)は定時退行日と決められており、唯一の定時で帰れる日でした。

このような勤務時間が長いのか適正なのかはわかりませんが、銀行員の唯一の良い点が休日がカレンダー通りということです。休日は週に約8日ありました。休日に関しては他業種と同じ程度ではないかと思います。

そんな私の担当業務は貸付、つまり営業店での融資係で、自ら獲得した融資を期日までに融資をすることがメイン業務でした。融資係というと聞こえは良いですが、実際は汚れ仕事も多く、返済の延滞の催促や倒産した相手へ代弁請求を行うこともあり、罵声を浴びせられたりという事もありました。

もちろんそんなお客様ばかりではなく、融資のお陰で住宅ローンが完済した際に○○銀行さんのおかげで夢を叶えられたと言われたこともあるので、やりがいのある仕事だと思います。

身につく知識は生活でも役立つもの

こあら(28歳 営業職)


銀行員は幅広い知識を必要とします。税金のこと、法律のこと、担当する会社の業種のこと、金融商品のことなど多岐にわたります。これは年次を重ねても終わりはなく、常に仕事をする上で日々勉強を重ねていきます。時には、相続のお手伝いをしたり、不動産の売買について学んだり、担当している会社と共に製造業の業界研究をしたりと金融に関することだけでなく勉強をしなくてはいけないので大変です。

仕事は8時30分から17時が定時ですが、営業職であれば定時に帰れる日が月に2日あればいいほうです。残業は厳しく管理されていますが、日常的に残業があり家に帰るのは22時過ぎることもあります。平日は勉強が難しいので、月8回ほどある休みの土日に勉強をします。

身に着けた知識は自分の生活に役立ってきます。自分のライフプランにそった資産形成を考えたり、資産運用をしたりできます。また、住宅購入の際にメーカーの特色なども知っているため、メーカーの選択にも役立ちます。他にも仕事で学んだことは実生活に直結することがほとんどなので、無駄がありません。

グラフを背景に腕を組む銀行員

金融機関で働きたくて銀行員になった

ゆうぽん(33歳 銀行員)


勤続10年になる銀行員です。元々お堅い仕事に憧れていたので金融機関への就職を希望していたところ、めでたく地方銀行への就職が決まり銀行員となりました。

銀行に入って良かったと感じるのが、金融機関であることから就業時間がきっちり決められていることです。就業は朝8時から始まり、遅くとも18時には帰宅できるので殆ど残業はありませんし、安定しているため給料やボーナスも他企業よりは高いと感じます。休みは暦通り週休二日制で、休日出勤もないのは嬉しいです。

私は法人融資担当で、主に企業向けの融資をお願いする業務です。この時代ですから事業拡張のためにお金を借りる会社などありません。昔バブル崩壊後に貸しはがしされたことを恨んでいる会社もあり、相当厳しい環境にあります。この業務に就いて5年になりますが、正直他の部署に転属したいと考えています。憧れて入社した銀行ですが、入ってから厳しい現実というものを身をもって実感しています。

激務だが、オンオフの切り替えができる

mami(29歳 営業職)


都内の銀行で法人営業をしています。具体的には取引先の企業から預金をしてもらったり、融資をしたりする仕事です。

勤務時間は8:40~17:40ですが、ほぼ毎日残業で20時近くまで職場にいます。土日・祝で月に10日程度はしっかり休めます。

日中はとにかく取引先を回って情報を集めたり提案をしたりし、夕方以降は社内稟議や報告書などの書類作成で怒涛のような毎日です。仕事柄、ミスは絶対に許されませんが、スピードも要求されるのでとても大変です。

ただ、銀行のいいところは、持ち帰り残業が絶対にできないこと。業務中は必死で働いていても、職場を一歩出たらしっかり切り替えができるので、オンオフをしっかり分けたい私には向いています。

銀行員の仕事はお金でお客様の夢を叶える手伝いをすること

堅実な仕事の代表格のような銀行員ですが、その分仕事に対する責任も多くなります。預金や為替はもちろんですが、特に融資時には厳しい判断をしなくてはいけませんので、精神的に辛くなることもあるでしょう。

しかし、銀行は夢を支える仕事でもあります。自分の住宅が欲しい人や海外に留学したい人など、様々な理由で資金が必要な人に融資することでお客様たちの夢を叶えるお手伝いが出来ます。時には夢を叶えたお客様から「ありがとう」と感謝の言葉を掛けられることもありますので、厳しいだけではない働きがいのある仕事です。