共働きにはメリットとデメリットがある
2016年時点のデータによると、共働き世帯の世帯数は1,129万世帯。近年、賃金の減少や女性の社会進出といった背景もあり、専業主婦世帯が減る一方で共働き世帯が急激に増えています(注1)。
このように夫婦の働き方として当たり前となりつつある共働きですが、これから共働きで頑張っていこうと考えている方は、そのメリットとデメリットを十分に理解しておくことが大切です。共働き世帯からの体験談をもとにデータをまとめましたので、ポイントをしっかりと押さえて仕事と家庭の両立を目指しましょう。
共働きのメリット
夫と妻が二人ともに働く共働きにおけるメリットとしては、主に以下のような3つのことが挙げられます。
1 収入が安定する
多くの夫婦が共働きを選択する大きな理由として挙げられるのが、経済的な面における安定感です。特に子育て中であれば「育児や学費にかかるお金はいくらあっても足りない!」という家庭はやはり多いでしょう。共働きであれば世帯年収もアップし、娯楽や貯蓄にまわす余裕も出てきます。
また、もし妻が共働きにより夫の扶養を外れることで厚生年金に加入した場合、専業主婦と比較すると老後の受給額は増加します。
2 夫か妻、どちらかが働けなくなったときにも安心できる
ちょっと風邪をひいて数日お休みするなど、有給で対応できる休みであればさほど問題はないでしょう。しかし、怪我や大きな病気、会社をリストラされたなど、どちらかがなんらかのトラブルにより職を失ってしまった場合のことを考えると、収入源が夫からと妻からの2つに増えるということは大きな安心につながります。
3 夫と妻、お互いの苦労を共有できる
職場での人間関係や仕事内容、家事や育児など、共働きとなる前には理解できなかった苦労を共有することができるのもメリットのひとつです。このことにより、「共働きを始める前よりも、相手を労る気持ちや思いやりを持てるようになった」という夫婦の声が多く見受けられました。
共働きのデメリット
夫と妻二人で働くと収入が増えるという大きなメリットがある一方で、共働きには3つのデメリットもあります。
1 家族での時間が減る
共働き夫婦の場合、プライベートな時間が減ってしまうというデメリットがあります。どちらかが仕事で遅くなることで、夫婦のコミュニケーションを取らずに一日が終わる…ということもそう珍しくはありません。
また、夫婦間ではもちろんのこと、子供との時間が減ってしまうことも覚悟しなければなりませんし、この場合は子供を預ける場所を探す必要があります。
2 家事がおろそかになりやすい
夫婦の間で家事の分担をしっかり行っていたとしても、お互いに仕事の忙しさにかまけてなかなか丁寧にはできないことも多いものです。今回寄せられた体験談では、お弁当・お惣菜を買って食べることや外食の機会が増えたり、掃除が適当になってしまうといった声が多く見受けられました。
また、共働きをするまでは家事の一切を全て妻に任せていたという男性からは、洗濯機や電子レンジの使い方などを一から学ばなければならなかったという苦労話も寄せられています。夫婦で働きに出るのであれば、お互いに協力し合う姿勢が不可欠です。
3 家計の管理が甘くなりやすい
共働きとなる場合、「家族みんなのお金」という意識がなくなってしまいがちです。そのため、収入は増えてもなかなか貯蓄額は増えず、家計の管理も甘くなってしまう恐れがあります。
共働き夫婦から聞いたメリットとデメリット
実際に共働きをしている方々から、共働きのメリットとデメリットをリサーチしました。メリットとデメリットを踏まえて、共働き世帯で上手くやっていく方法についてもアドバイスをいただきましたので、ぜひ目を通してみてください。
共働きをしている女性の声
共働きについて
みのり(27歳)
共働きをしていて良かったと感じるのは、お互いを労れるところだと思います。それぞれ仕事があり忙しくしていることで、家事を協力し合ったりする意識が芽生えると思います。
そして、デメリットとしてはプライベートの時間の確保が難しくなることだと思います。それぞれが残業をして遅く帰ると2人でご飯を食べる時間もありません。どちらかが先に寝ていて、ちゃんとした会話をしないまま1日が終わることもあります。
これから共働きを検討されている方は、メリットとデメリットが生じることは仕方ないことなので、それを如何に好転させていくか二人の考え方次第なので明るく仕事もプライベートも過ごしていけるように出来たら良いと思います。
夫婦共働きについて
ぽんぽこ(24歳 販売職)
共働きでよかったと感じるところは、やはり一番に、夫だけの収入よりも世帯収入が増え、貯金ができるというところです。これから子どもを生み育てることも考えていますが、いざという時のために貯金がないと不安ですし、また収入があるというだけで、家庭全体で見てもゆとりがあるように感じます。
デメリットはやはり共働きですので、家事が疎かになりがちで、特に掃除に関してはホコリがあればその都度拭き取るなど、最低限のことしかできていません。食事も外食が多いので、栄養バランスや食費がかさんでいるところが気になります。
共働きは大変なこともありますが、家事の分担を話し合って協力しあうことでお互いにとって快適な生活が送れるのではないかと思います。
共働きを検討中の方へ
こりんこりん(28歳 パート)
私は結婚して2年になりますが、旦那と共働きをしています。これから共働きしようか検討中の方のお役に立てればと思います。まず共働きのメリットとしては、やはり金銭面です。妻の給与が月10万円だとしても1年で120万円も収入が増えます。それが数年に渡ればその差はますます広がりプライベート家族で使えるお金が増えるので趣味やレジャーを充実させることができます。
一方でデメリットとしては家事の分担が上手くいかず、どちらかに負担がかかりすぎたり、仕事で二人とも疲れて夫婦の時間があまり作れず喧嘩に発展することだと思います。
共働きを考えている人がいましたら、家事をどちらかに押し付けるのではなく、しっかり話し合った上で分担すること、またお金がいくらあっても夫婦で楽しく過ごせなかったら意味がないので、ワークライフバランスを意識しながら、お互いが夫婦の時間を大事にすることが大切だと思います。
お互いを思いやるようになりました
プリン(40歳 事務職)
共働きをして良かったことは、お互いを思いやる気持ちが以前より増えたことです。専業主婦をしていた時は育児や家事を手伝ってほしいといつも不満に思っていたのですが、自分が働きに出て家事も完璧にするのは大変なことを身にしみて感じるようになったので、あまり不満に思わなくなりました。
主人は主人でかなり手伝ってくれるようになり、私より早く帰った時は夕食の準備をしてくれたり、洗い物をしてくれたり協力してくれるようになりました。今までわからなかったお互いの大変さを理解できるようになったのが一番大きいと思います。
ただ、以前に比べて部屋は汚いことも多くなったり、時間がない時はお惣菜を買ってしまったりと食費にお金がかかるようになったことがデメリットとしてありますが、ある程度はしかたないかなと思います。少しの事には目をつぶって、相手を思いやる気持ちがあればプラスになることが多いと思います。
私と旦那
かんさく(27歳 専業主婦)
私の就職を機に共働きになりました。お互いそれほど給料は高くなかったのですが、2人で働いている分、なんの不自由もなく心にも余裕を持って生活をすることができていました。
ただ、旦那は家事などを手伝うことがなく夜な夜な飲み歩いたりと、こちらが将来のために少しずつ貯金して頑張っているのにとても自由に生活していて、腹が立ち喧嘩することも多かったです。
家事や育児は奥さんの仕事だと考えている男性は「手伝う」という言葉をよく使いますが、これはやって当たり前のことです。出来る時に出来る方がやる。旦那にもその気持ちをしっかり持ってもらって夫婦で協力し合うことが1番いいと思います。男も女も関係ありません。
共働きには思いやりが大切
こぶた(41歳 事務職)
共働きのメリットは、やはり経済的余裕があることです。趣味の旅行など、適度に楽しむことができています。まだ子供がいない時期であれば、どんどん貯金も増やせます。また、お互い働いていますので、仕事の面でお互いの相談相手になることができます。お互いの世界があるため、依存するような関係にならないこともメリットだと思います。
ですが、両方とも忙しい時期は家事の分担などで険悪になることもあります。家の中も荒れてしまいます。共働きをするなら、お互いの仕事を尊重しあって、思いやりの気持ちを持つことが大切だと思います。家事負担も女性に偏りがちですが、きちんと話し合ってどちらかに負担がかからないようにすることが大切だと思います。
共働きをしている男性の声
共働きのメリットやデメリットについて
ぱんた(42歳 会社員)
共働きで良かったと感じる部分は、家庭収入が増えるので、子供を私立の学校に無理なく通わせることができるところです。 また、共働きだとお互い理解し合える部分があるので、夫婦関係が良く保てます。
共働きのデメリットを感じる時は、子供に留守番をさせる時間が少しあるので、学校から帰宅してお帰りと言ってあげられないところです。 突然の発熱などで、学校から呼び出しがある場合は、都合がつく方が迎えに行くのでさほど大変に感じません。
これから共働きを考えている場合、家事などの割り当てをしっかり決めることをおすすめします。お互い協力していると、忙しくても夫婦関係は悪くなりません。 育児にしても、一緒に取り組むのが大切なので、学校行事なども協力してこなすことが必要です。
コミュニケーションを重視しています
じゅん(32歳 経理)
共働きのメリットは大きく3点あります。世帯収入が高いため、比較的余裕のある生活ができます。貯蓄も大きくできます。何を買うにしても、外食するにしても、そこまで費用を気にせずに気楽に楽しむことができます。お互いの趣味にお金を回すことができます。
共働きのデメリットは2点です。節約をせずに生活をして行くことが簡単なため、生活水準が上がり、固定費が高くつきやすくなります。子供ができて子育てするとときに、子供を保育園に預けなければいないことです。
共働きをうまくしていくには、根本は相手を想い、コミュニケーションをしっかりととっていくことです。そして、協力して、家事育児に努めることが大切です。私は特別なことをせずに、そのようにしています。共働きだろうと奥様が働かないご家庭だろうと、相手を思ってコミュニケーションをしっかりと取れば全てうまくいきます。
共働きのメリットデメリット
まあま(33歳・SE)
共働きでいいことはなんといっても経済的に余裕が生まれることだと思います。一人の収入だと生活がギリギリになりそうですが共働きのため少し余裕ができ、週末は家族で出かけることが多いです。
逆にデメリットは、親が遠方ということもありますが子供が保育園を休まなくてはならなくなったとき、どちらかが会社を休むことになることです。風邪が長引いたときは数日間交互に休みました。共働きすることで収入面はよくなりますし、それぞれが仕事を持つことによって立場も同じであるという感覚も出てくると思います。
片方に家事が偏ることなくお互いに助け合うことができると思います。よりよい夫婦関係を築くには会話が一番だと思うので他愛のないことでも口に出して話をすることがいいと思います。
共働き夫婦の関係
まさとん(38歳 建設作業員)
共働きのメリットは何と言っても金銭的に余裕ができることです。自分一人の稼ぎでは生活するのがやっとで、遊ぶお金や外食するお金までは作れないと思います。また、将来的な子供の教育資金も貯蓄できます。
デメリットは家事や子育ての分担しなければならないことです。家事の得意な男性なら何の問題もないのでしょうが、私のような家事をやらずに育った人間には一大事です。洗濯機や電子レンジの使い方から妻に教わらなければ何もできないので、最初はかなり大変な思いをすると思います。
これから共働きを検討されるご夫婦は、できる限り自分の主張は後回しにして相手を慮る姿勢を保つ事が重要です。全ての仕事を折半していたとしても、相手の仕事には感謝の気持ちを示すようにすれば、きっと相手もあなたに感謝してくれると思います。ありきたりですが、お互いを思いやる事が夫婦円満の秘訣だと思います。
共働きについて
コロスケ(38歳)
私と妻は共働きをもう10年続けています。共働きでよかったと感じることは一番は金銭面で余裕ができて、欲しいものや、行きたい場所に旅行などをあまり躊躇なくできることはいいですし、お互いに会社の付き合いでどうしても帰りが遅くなるとかとかもありますが、働いていたらどうしようもない時があるので、その辺の事情をあまり細かく説明しなくてもわかってもらえます。
ただ、お互いに会う時間が少なかったり、家庭のことを話す時間が少なくなりますので、すれ違いになりやすいというデメリットはあります。共働きを考えている人たちにアドバイスができるとすれば、できれば共通の趣味があれば、少ないコミュニケーションでお互いを理解することができるし、少ないチャンスで会話が広がと思います。
大変だけど楽しい
しゅんしゅん(30歳営業職)
共働きのメリットは、やはり複数の収入源があることです。急な病気や働けなくなるリスクを鑑みると、両方働いているのは育児への安心感につながります。
お金の管理のやり方が分かれると思いますが、ウチは妻が一括管理しています。家賃や生活費を自身(夫)の給料で、子供用品や家族の娯楽を妻の給料で賄うという形で分けているので、生活費サイクルが安定しやすいです。一方で家事分担は難しいですね。ウチは妻が時短勤務なのですが、もう少し協力して!と怒られてしまいました。
仕事で遅くなると子供のお風呂や寝かしつけも遅くなったり、2人とも忙しい時期になるとどうしても些細なことでケンカしてしまったりなど、家にいる間の安らぎは減ってしまうかもしれません。共働きをするのであれば、やはり2人が気持ちよく協力しあうためにも、日々の会話コミュニケーションは重要ですね。急に「今日は遅くなる。」と伝えるのではなく、予め「この時期は◯◯だから遅くなってしまうかも知れない。でもそれ以降だったら早く帰れるから保育園のお迎え行くよ」などを共有するだけでも随分違うと思います。お互いに頑張りましょう!
メリットもデメリットもある共働きでは夫婦間で手を取り合うことが大切
共働き世帯が増える中、お互いに働きに出ることによってメリットを感じる一方、様々な悩みを抱えている家庭も少なくありません。
夫婦の立場は平等です。男性も女性もストレスフリーに共働きを続けていくためには、忙しい中でもコミュニケーションをとり、相手の苦労や悩みをこまめに共有し合うこと、そしてその問題をどう解決していくかを一緒に考えていくことが重要です。どちらかにばかり負担が片寄るといったことのないよう、お互いを思いやる心を忘れない様にしましょう。