花金とは?意外と若者に知られていない意味や由来

花金という言葉を知らない40代50代はいません。しかし現在の若者は聞いたことのない人、もしくは聞いても意味が分からない人が多くいます。花金が週休二日制と歩んできた歴史や華金との違い、最近の過ごし方などを紹介します。若い方は花金の意味を理解して、上司との会話をスムーズにしましょう。

花金とは?意外と若者に知られていない意味や由来

花金(はなきん)は意外と若い世代に知られていない

花金とは「花の金曜日」の略で花金と言われています。
40代以上の方たちにとって花金や華金という言葉はなじみ深い言葉ですが、20代や30代前半の方たちにはあまり馴染みのない言葉です。花金という言葉が出てきた時と今現在では、意味が少し変わっています。従来の意味と現在の意味を理解したうえで言葉を使いましょう。

花金の意味

そもそも「花金」の意味を知らない方は少なくないでしょう。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」といいますが、知らないことを上司や同僚に聞くのは気まずい感じがして、中々出来ることではありません。

事前に「花金」「花の金曜日」という言葉について事前に調べておき、きちんと反応できるようにしましょう。ちゃんと対応できると、意思疎通を行う際に齟齬が生まれにくくなり、円満なコミュニケーションを営めます。

40代以上は「花金=飲み会を開く日」

飲み会でビールを美味そうに飲むサラリーマン

40代以上の方が言う「花金」は、「飲み会を開ける金曜日」を指していることが多いです。1980年代頃から週休二日制を採用する企業が増えてきており、「花金」という言葉もそれ以降に生まれました。つまり、翌日が休日であることが多い金曜日に、飲み会を開いて思う存分お酒を飲むのです。

週休二日になったため、多くの会社員が仕事や翌日の朝を気にすることなく開放的な気分でスナックやバーを飲み歩ける日が、金曜日となったのです。しかし、「花金」という言葉は現代においては違う意味も持ち始めています。

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40代以下は「花金=キッチリと休める日」

ヘッドホンをかけながら音楽を聴いている男性

「花金」が以前から変わらずに引き継いでいるのは「花の金曜日」という、略する前の言葉だけです。現代も多くの企業は週休二日制を採用していますので、金曜日は翌日の心配は何もせずにゆっくりできる日というのは変わりません。

しかし、以前ならば上司に誘われて飲み会へ行き、ありがたい説教を聞いたりストレス解消に努めたりする方も多かったでしょうが、現在は居酒屋で行われる飲みニケーションを苦手とする若者も多いです。

ゆえに、現代の「花金」は翌日の心配をせずに好きなことができる日という意味になっています。仕事終わりにヨガやジムへ行ってリフレッシュする方もいれば、ドライブを楽しむ方もいます。もちろんお酒を飲んでゆっくりする方もいますが、お店に行かず自宅で飲む若者が増えてきています。

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花金の歴史

「花の金曜日」を略した「花金」という言葉は大昔からあったわけではなく、1980年代に日本企業が週休二日制を導入してから使われ始めたといわれています。花金によく飲み会を開いたのは、翌日が休日だったからだけではありません。当時は2日間の休日前にもお金を景気よく使う方が多く、日本の経済状態も好調でしたので使ってもその分お金が返ってきていました。

繁華街とバブル時代のファッションを身にまとった男女のイラスト

しかし見せかけの好景気であったため、バブル崩壊後には大きな負担を抱えることになった方も多くいました。当然、翌日休みであろうとサイフの紐を緩める方は段々減っていき、それとともに花金という言葉も使われなくなってきました。

また「花金」が流行していた当時は、都会と地方との経済的格差が今よりも大きい時代でした。週休二日制は一般企業に導入されているものであって、農業・林業・漁業を営んでいる方には適用されていませんでした。そのため「花金」という概念は都会の裕福な暮らしを表す言葉として、当時は受け止められていました。

「花金」と「華金」の違いとは

「花金」を「華金」と書く方もいます。どちらも間違いではなく、時代によって使う漢字が違うわけでもなければ、使い方に特別の区別をつけているわけでもありません。金曜日にお金をふんだんに使うという背景も一緒であるため「花金」と「華金」は同じ意味で使われています。

しかし、言葉には使う人のイメージが付きまといます。言葉に対するイメージは話し手によって異なり、例えば「せい」と聞いて思い浮かぶ漢字が「生」「制」「聖」など、聞いた人によって違うように言葉に対するイメージは個人によって違うのです。どの漢字を使うのかは、話し手あるいは聞いた人のイメージが重要となるのです。

そのため「花金」と「華金」の違いも、使う人によって異なります。いつもは花金と書いていても「華には豪華という言葉にも使われているから、きらびやかなイメージがある」と思ったなら、ちょっとリッチなスケジュールを入れた金曜日を指して「華金」と言っても構わないのです。

「花金」はもう死語

駅のホームでスマホを持ちながら物思いにふけている中年サラリーマン

休日前の仕事終わりにゆっくりするという行為自体は現在でも変わらずありますが、休み方が多様になってきた現代では「花の金曜日」という言葉を使うことが必ずしも適切であるとは言えなくなってきています。

必ず土日祝日が休みだという人もいますが、平日のみ休みの人や平日1日と日曜が休みだという変則的な人もいます。また、多くの人が休みの週末はどこへ出かけるにしても人混みに遭遇する確率が高く、わずらわしさが無いように過ごしたいため平日に休む方もいます。社会人のスケジュールはどんどん多様化してきているのです。

どのような言葉が知られていないか、つまりどんな日本語が死語として世間一般に認識されているのかというと、「花金」のほか、「アッシー、メッシー」「ドロン」「ウハウハ」「イケイケ」などが挙げられます。

若者の「花金」は自宅で行われる

アルコールで乾杯する若者

現代の若者はお酒を飲みながらコミュニケーションを取る、いわゆる飲みにケーションを苦手とする方が多く、誰かとお酒を飲むにしても気の置けない友人と自宅で飲み会を開くことが多いです。飲みにケーションが居心地悪い場になるとは一概にはいえませんが、通常よりもアルコールハラスメントやパワーハラスメント、セクシャルハラスメントが起こりやすい雰囲気、ロケーションであることは間違いありません。

お店に行けば手間をかけずに色々なお酒や料理を楽しめますが、期待外れだった時のショックは開放感あふれる仕事終わりには味わいたくないものです。しかし自宅で飲むということは自分で好きな料理・飲み物を準備できるので、期待外れにテンションが下がるということが起こりにくく、さらに1人でいる場合は終電を気にすることも他人に気を使うこともなく、飲みながら映画を観たり本を読んだり好きに過ごせます。

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古き良き「花金」はそれでも脈々と引き継がれている

形こそ違いますが休みの前日の夜からゆっくりする「花金」という習慣は、今でも息づいているといえます。仕事を持ち帰ったり残業をしたりせずに、終業時間が来たらしっかり休むことで仕事とプライベートを分けることになり、業務の効率化や仕事を続けるモチベーションを上げることにも繋がります。

「花金」は真面目に1週間を頑張った会社員が、業務から解放されてリフレッシュするための習慣です。政府が打ち出したプレミアムフライデーも、変種ですが花金の1種といえるでしょう。

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