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拝啓・敬具の意味は意外と知らない?メールや手紙の常識

意味を考えずに、「拝啓」や「敬具」などの言葉を使っている方も多いかもしれません。社会人としてぜひ知っておきたい、手紙用語の意味と正しい使い方について解説致します。ビジネスで使うときはどうするのか、メールで使うときはどうするのか前略や草々の意味や使い方も解説します。

手紙で利用する「拝啓」や「敬具」等の言葉の本当の意味とは

手紙を書くときに使用する「拝啓」や「敬具」には、どのような意味があるのでしょうか。本来の意味と正しい使い方をご説明いたします。

手紙の文頭に使用する「頭語(とうご)」の意味と使い方

ちょっとしたハガキや改まった手紙などの文頭には、「頭語」と呼ばれる言葉を使用します。頭語の意味と使い方は、以下の通りです。

拝啓

「拝啓」は、「相手を敬って申し上げる」という意味です。現在、自分と対等な相手への手紙にも使用しますが、本来は相手への尊敬を意味する言葉ですので、立場は対等ではあっても相手への丁寧さが見える文章であるべきです。次のような文章は、「拝啓」を正しく使用できていない文章と言えるでしょう。

拝啓

だんだん秋めいてきましたね。その後お変りはありませんか。
こちらは、みんな元気で、楽しかった○○さんのお家での夏の思い出を話しては、笑いあっています。本当に、楽しかったね。また、遊びに行っても良いかな?
そういえば、○○さんのお子さんは、元気にしているかな?だんだんお母さんに似てきて、しっかり者の美人になってきたよね。また会えるのを楽しみにしています。

敬具

出だしの時候の挨拶には問題はないのですが、「楽しかったね」「良いかな?」「なってきたよね」などのあまりにもくだけた表現は、「拝啓」と始まった文章には似つかわしくありません。このような文章なら、頭語や結語(文章の終わりの言葉)はない方がすっきりとします。

ビジネスで使う「拝啓」と「敬具」の意味と書き方

前略

「前略」とは、季節のあいさつや時候のあいさつなどの「前置きとなる文章」を「省略」するという意味です。ですから、前略で始まった文章はいきなり本題に入ることが望ましく、簡潔で要点が分かりやすい文章であるべきです。次のような文章は、「前略」ではなく「拝啓」を使用すべきと言えるでしょう。

前略

だんだん秋めいてきましたね。その後お変りはありませんか。
こちらは、みんな元気で、楽しかった○○さんのお家での夏の思い出を話しては、笑いあっています。本当に、楽しい時間をありがとうございました。よろしかったら来年の夏には、拙宅にもお越しいただきたいと思っております。
いつもしっかりして笑顔が可愛い○○ちゃんも、お元気にお過ごしですか。二学期は運動会や遠足など行事も多いので、忙しく活躍しているのではと思っています。また、お話をお聞かせ下さいませ。
朝晩、冷え込みが激しくなっています。お風邪など召されませんよう、ご自愛くださいませ。

草々

「前略」で始まった文章は、時候の挨拶を省略して、いきなり本題に入ります。ですから、緊急性の高い話題などで使用することが一般的です。上記の例文のように、「お礼文」や「あいさつ文」の場合には、あまり使用しません。

手紙の文末で使用する「結語」の意味と使い方

「拝啓」などの「頭語」で始まった文章は、「結語(けつご)」で終わらなくてはなりません。頭語と結語はペアで覚えて、スムーズに使用できるようにしましょう。

敬具

「拝啓」や「啓上」などの頭語で始まった文章は、「敬具」で結びます。女性の場合は、「かしこ」で終わっても構いません。「敬具」とは、「つつしんで(敬って)申し上げました」と言う意味ですので、文末以外では使用できません。

ビジネス文書においての敬具の使い方と位置

草々

「前略」で始まった手紙は、「草々」で結びます。女性の場合は「前略」で始まった場合も、「かしこ」で終わっても構いません。「草々」とは、「取り急ぎ失礼しました」という意味です。字を崩して早く書く書体である「草書体」の「草」と同じく、時間が無くあわてている様子を表現しています。

ビジネスにおいて「拝啓」「前略」は使うべきか

社会人として礼を尽くさなければいけないビジネスの場においてこそ、「拝啓」や「啓上」などの頭語とその対になる「敬具」は使用すべきと言えます。また、女性であっても、ビジネスの場ではあまり「かしこ」は使用しません。「かしこ」という言葉には、女性が年上もしくは目上の人に甘えているイメージを持つ方もいらっしゃいますので、ビジネスの場合ではふさわしくないといえるのです。

「前略」は、ビジネスにおいて使用しない

反対に「前略」は、ビジネスで使用しない頭語です。急いでいても礼を尽くすのが当然のマナーですので、取引先に「前略」で始まる文章を送ることは、非常識と取られかねません。ビジネスにおいては、「拝啓」もしくは「啓上」、さらに相手を敬った「謹啓」「恭啓」を頭語として使用し、「拝啓」「啓上」で始まった文章は「敬具」で結び、「謹啓」「恭啓」で始まった文章は「謹白」「謹言」で結びましょう。

メールの文章でも、「拝啓」は必要か

上司への報告などではなく、取引先や直属ではない上司の目に触れるメールの文章にも、「拝啓」「謹啓」などの使用は望ましいと言えます。「会社を背負った社会人として、責任のある文章を書いている」という意味を込めて、正しく頭語・結語を使いこなしていきましょう。