退職挨拶への返信をスマートに行うポイントとメール例文

退職挨拶のメールが来た時の返信は、相手との関係など様々なことを考えて返信する必要があります。親しい仲でも最後だとしても、最低限のビジネスマナーは意識することが重要です。退職者に対し失礼なく、スマートに退職挨拶へ返信するポイントやルールを整理・紹介しています。

退職挨拶への返信をスマートに行うポイントとメール例文

退職挨拶のメールが来た!返信はどうする?

会社勤めをしていると、いずれ目にするようになるのが退職挨拶のメールです。退職挨拶のメールをもらうと返信をした方が良いのか、それともしないで良いのか…迷ってしまう人も多いでしょう。

退職挨拶への返信は、誰からか来たのか、いつ来たのか、また誰向けのメールとしてきたのかなど、様々なシチュエーションがありますので対応もそれぞれ異なります。

退職挨拶のメールの返信について、どのような場合にどのように返信するのが良いのか、社会人としてスマートな対応について考えてみましょう。

退職挨拶のメールの中でも特に返信が必要なメールは?

ノートパソコンからメールを送信する会社員

退職挨拶への返信について考える前に、まずは退職挨拶のメールの種類について確認してみましょう。

  • 社内の全ての人へ向けた一斉送信メールによる退職の挨拶
  • 社内でお世話になった上司・親しい同僚への個人宛の退職挨拶
  • 社外のクライアント・取引先企業の担当者に送られた退職の挨拶

この中でも返信が必要な度合いで言えば、「社外の担当者への退職挨拶」「社内の個人宛の退職挨拶」「社内の一斉送信メールによる退職挨拶」の順番になります。

関係としては社外の担当者が最も弱いのですが、仕事上の引き継ぎなどの確認が必要となりますし、退職の連絡を受け取ったという意味でも返信が必要となります。

個人宛の退職挨拶については、わざわざ時間を割いて送ってくれているということなので、極力返信するようにするのがマナーです。一斉送信の場合は退職者との関係などを考慮し、必要に応じて対応しましょう。

退職の挨拶に返信する際のメール内容はどうするべき?

退職の挨拶に対し返信するとなると、その内容に困る方は多いものですが、基本的には次のようなルールを守って返信しておけば大丈夫です。

1 感謝の気持ちやエピソードを伝える

お世話になった先輩に感謝してノートパソコンからメールを作成するサラリーマン

退職挨拶メールへの返信内容の基本は、今までの相手の活躍や労苦をねぎらい、感謝する気持ちを表現することです。
返信する際には自分が関わったエピソードなどを添えられると、相手にも感じるものがあります。エピソードの中で自分が感じたことや、また話の内外でお世話になったことへの感謝を必ず記しましょう。

2 相手の退職挨拶に沿った内容を意識する

退職挨拶の中で、退職者が様々な内容のメッセージを送っている場合があります。
退職後の進路についてであったり、残る社員たちに向けての激励であったり、様々なものがありますが、そういった内容に対してコメントする内容でも可です。当然ながら批判的な内容ではなく、前向きに応援する内容の返信をしましょう。当然、ここに紹介している他の要素も交えるようにしてください。

3 相手のその後の活躍や幸せへの願いを述べる

先輩に応援のメールを送信するビジネスマン

返信の最後は必ず退職者のその後の活躍や幸せを願う文を入れるようにします。退職理由を問わず、お互いに同じ職場で働いた仲間ですから、よい人生になるように願うのが人の道というものです。
万が一、自分があまり仲良くなかった相手であっても「最後の最後だから言いたいことを言ってやる」というようなビジネスマナーに欠けた行動は絶対にやめましょう。

退職挨拶のメール返信の際に注意すべきポイント

退職挨拶に返信する時はマナーに沿って書きましょう。退職挨拶の返信で失敗しないように、気を付けたいポイントがいくつかあります。

1 退職の理由は問わない

サラリーマンが操作しているノートパソコン

退職理由については、定年退職などの場合は良いのですが、その他の場合にはネガティブな理由による退職も少なからずありますし、そういったプライベートなことは聞かれたくないという人も多いものです。そのため、退職理由については基本的に問わないようにしてください。もちろん、退職者が自ら公表している場合にはその限りではありませんが、基本的には転職先などを尋ねるのも失礼にあたります。

2 プライベートな内容には触れない

中には、病気や親の介護、結婚・出産を理由に退職する方も少なくありません。
事情は人それぞれですから、そういった退職理由を退職者が知らせていたとしても、事情によっては難しい場合もあり重圧になることもあるため、プライベートな部分に対しては、よほど親しく、事情を知っている場合を除いては触れない方が無難です。
安易に「元気な赤ちゃんを産んでください」「大丈夫、病気はきっと良くなります」というような内容を返信することは避けましょう。

3 返信のタイミングはできるだけ早く

真剣な目をしてパソコンを操作しているサラリーマン

退職挨拶のメールを送るタイミングは、社外の相手に対しては一週間前など引き継ぎなどの状況が整い次第連絡をするものですが、社内に対しては当日となることが多く、また当日の中でも定時前になることが多いです。せっかく返信しても読んでもらえないこともありますので、時間をかけずに返信するようにしましょう。予め退職者についての広報が社内で流れている場合には、すぐに返信できるように内容を事前に検討しておくのもよいでしょう。

また、一斉送信メールに焦って返信しようとして全員に返信される場合もありますので、早く返信はしても誤送信ミスは起こさないよう気を付けてください。

4 親しき仲にも礼儀あり

最後のやり取りになるとはいえ、返信に礼を欠かないように注意しましょう。急にぞんざいな言葉遣いになったり、また雰囲気を良くしようと顔文字などを使わないようにしてください。プライベートではなくビジネスマナーの中での退職挨拶ですから、ビジネスマナーの中で対応し、プライベートなやり取りは他の方法で行いましょう。

なお、退職を機にプライベートなやり取りを求めて連絡先を尋ねることも、場合にはトラブルになりますので、お互いの関係によっては控えておいた方が無難です。

【退職理由別】退職挨拶メールへの返信文例

退職理由により、返信する内容にも多少違いが出てくるものです。それぞれのシチュエーションにおいて、返信すべき内容や注意点に即したものを意識して作成するようにしましょう。

「退職理由が不明の場合」「定年退職の場合」「妊娠・出産の場合」に分けて返信内容の例文を紹介します。返信内容にお悩みの方は、これらをベースに文章を考えてみるとよいでしょう。

退職理由が不明の場合

Aさん
お疲れ様でございます。Bです。

退職のご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。

Aさんには■■社のプロジェクトをはじめとして、多くのプロジェクトでご一緒させていただき、たくさんのアドバイスとフォローをいただきました。たくさんの実績を作らせてくださって感謝しております。今の私があるのはAさんのおかげです。

Aさんのさらなるご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
何かあれば、ぜひご連絡をいただけましたら幸いです。
今まで大変お世話になりました。ありがとうございました。

定年退職の場合

Aさん

お疲れ様でございます。Bです。

退職のご挨拶をいただき、ありがとうございます。
Aさんが定年をお迎えすることは存じておりましたが、いざ退職となると寂しく感じるばかりです。

入社当時の右も左もわからなかった頃から今日に至るまで、様々な形でご指導をいただきありがとうございました。私にも後輩ができ、部下もできましたが、Aさんから教えていただいたことの多くが役立っております。Aさんに教えていただいた仕事への精神や姿勢を次世代に引き継げるよう、続けて精進したく存じます。

機会がありましたら、またオフィスにも気軽に足を運んでいただけたら幸いです。
Aさんの今後の健康と、ご多幸をお祈り申し上げます。
身体にお気をつけて、ぜひこれからの人生を楽しんでください。
本当にありがとうございました。

妊娠・出産による退職の場合

Aさん

お疲れ様です。Bです。

ご退職のご挨拶をいただきましてありがとうございます。

Aさんが今回、出産を機に退職されることは伺っておりましたが、何度考えても残念です。たくさんの悩みを聞いていただき、たくさんの助言をいただきましたが、大した恩返しもできず申し訳なく思う次第です。

Aさんとご家族の健康とご多幸をお祈りしております。
今までお世話になりました。

以上はあくまで例文となりますので、退職者との関係によってはもっと踏み込んだ内容でも構いません。相手に失礼のない範囲でねぎらう内容、前向きな内容を意識して返信しましょう。

退職挨拶への返信メールは感謝とマナーでつづるのがポイント

退職挨拶への返信は、関係が遠い人が相手の場合でも、関係が近く思い出が多い人が相手の場合でも、誰宛の挨拶なのか、そしてどういった退職理由なのかなど、様々に気になることがあるものです。また、社内か社外かでも対応の際に違いが出てくるものです。

しかし、退職挨拶の基本の内容はやはり感謝を示し、その後の活躍や幸せを願うことです。退職挨拶だからといって特別なことはありませんので、社会人としてビジネスマナーを守って返信するようにしましょう。もし、その後もプライベートな関係が続くとしても、公私は分けた返信をするのがスマートです。

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