見積書の書き方・書式や金額の正しい記載の仕方

見積書の正しい書き方を知っている、という自信がある人は少ないのではないでしょうか。見積書は取引をしている中で必ず必要となる重要な書類です。それをきちんと書くことができれば、確実に仕事はスムーズに進められるでしょう。見積書の書き方は、ぜひ覚えておくべきです。

見積書の書き方・書式や金額の正しい記載の仕方

見積書はビジネスに欠かせないもの

見積書が正しく書かれていないと、提出した会社との間でトラブルが発生してしまいます。ですから、見積書はきちんと書かなければなりません。見積書は、その書き方が決まっているものですから、それを覚えてしまいましょう。もちろん、見積書がなければ取り引きは進んでいきませんし、取引先の企業は見積書を元に製品の購入などを検討していくことになりますから、慎重に作成していかなくてはならないと言えます。もし見積書を書くことになったら、自分が取引の屋台骨となったのだという自覚をしましょう。

見積書の書き方は正しいことを知っておきたい

見積書には、主に価格や納期などの条件、納品する内容、支払い条件を書きます。こういったことを記載し、共通認識とすることにより、取引をスムーズに進めていくようにするのが見積書の役目です。もちろん取引を進めていく中で、見積りの金額などが変わることも十分に考えられますから、その都度見積書も書き直していく必要があります。そういった時には、変更点を正しく記載することができるように注意するように心がけてください。

見積書と実際の納品内容が異なっていたり、納期を守れなかったりすると、取引先が支払いを拒否してしまうということも考えられます。こういったトラブルを防ぐためにも、見積書は細心の注意を払って書かなければなりません。見積書をお互いに確認しあうことによって、相手は製品を購入する意思があることを提示し、こちらは適切な価格で製品を売却する意思があることを提示することができます。

見積書を作成

そのため、見積書は双方のコミュニケーションの役割も果たしていると言えるでしょう。正しい書き方ができていないと、お互いの意思疎通がとれずに、あれはどうだったのか、これはなんなのか、と後から問題が次々と発生してしまいます。

また、大きな金額を動かす書類でもありますから、そういった責任を背負っていることを忘れないようにしたいところです。見積書に記載した金額が誤っているなどといったことが発覚してしまった場合、大変な混乱を招いてしまいます。それまでに進んでいた取引は頓挫してしまう可能性もありますし、今後取引先との付き合いができなくなってしまうということも考えられます。見積書は信頼関係にも関わってくるものなのです。

見積書の書き方の例と書く時のポイント

実際に見積書の例を見てみましょう。

No.000000
平成○○年○○月○○日

株式会社○○ 御中

株式会社○○
営業部 ○○○○
Tel 03-0000-0000

お見積書

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
下記の通りお見積もり申し上げますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

お見積金額 ○,○○○,○○○円

納品場所:貴社指定場所

納期:平成○○年○○月○○日

本見積有効期限:本見積提出後3週間

品番・品名

 単価

 数量

 単位

 金額

 備考

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合計 ○,○○○,○○○円

補足:上記に補足することがあればここに記載します。

見積書の連番は右上に書く

右上に「通番」を記載します。これは必ずつけなければいけないというわけではありませんが、見積書を作成するためのソフトなどを使用している場合には、データを管理しやすくするために通し番号をつけて管理しておくのが一般的です。

顧客から通し番号で問い合わせが来た時にもすぐに対応することができますから、通し番号をつけて管理しておくと楽になると言えるでしょう。また、見積書を連番で出力しなければならない時などにもすぐに目を通すことができて非常に便利です。

見積書を提出する宛先は左詰めで書く

宛先の書き方

宛先は左詰めで記載します。この時に気をつけておきたいのが、宛先の書き方です。会社に宛てている場合は、「株式会社○○ 御中」と書きます。「株式会社」は、「㈱」と略さないようにしましょう。こういった正式な書類での略称は失礼にあたるため、気をつけてください。また、「御中」をつけるのを忘れないように注意しましょう。

個人に宛てて送る場合は、「○○様」と書けば問題ありませんが、「株式会社○○」「○○部 部長」など、役職は必ず書くようにしてください。また、いくつも支部や支店がある場合はそれも明記しておく必要があります。同姓の人がいた場合に、そちらに誤送されてしまうと問題になってしまいますから、トラブルを避けるためにも宛名は細かく書いておくことを意識しておきましょう。

見積書を発行する日付は右詰で書く

見積書の発行日あるいは提出日は、右詰め記載します。いつ発行した見積書なのかがはっきりとわからないと、相手とやり取りすることは難しくなってしまいますし、何度か見積もりを重ねた時に、どれが最新の見積書なのかわからなくなってしまいます。

はっきりとお互いがどの見積書について話し合っているのかを認識できるようにするためにも、何年何月何日に発行したものであるのかを明記しておくことは非常に重要であると言えるでしょう。また、これはのちに見積書の有効期限を決める際にも使わるため、間違えることのないように気をつけてください。

見積書を作成した側の名前は日付の下に書く

見積書を発行した日付の下に作成者の名前を書きます。「株式会社○○」「営業部○○○○」「tel03-0000-0000」といったように、自分が所属している部署も書きましょう。この時に忘れないようにしたいのが、連絡先となる電話番号です。もちろん、取引先はこちらの電話番号を控えているはずですが、見積書を見ただけですぐに連絡をできるようにしておくことが大切であると言えます。

社印の場所

そしてその横に、社印(角印)を押します。また、場合によっては、見積書の作成者の印鑑も作成者の氏名の横に押します。この時、上司に承認印をもらう場合は、役職が高い人の印鑑が左側に来るようにしましょう。

印鑑や角印は、必ず押さなければならないというものではありません。ですが、押してあった方がかしこまった書類であるということを相手に伝えられるのは間違いないでしょう。丁寧な印象を与えたいのであれば、印鑑や角印を押すことをおすすめします。

見積書のタイトルは「お見積書」でも「見積書」でもOK

お見積書の表紙

ここからが見積書の内容となりますが、まずはタイトルです。この例では「お見積書」としていますが、「御見積書」「お見積り」「見積書」などといったタイトルを使うことが多く、特に決まりはありません。中央揃えで書き、一目見ただけで見積書であることがわかるようにしましょう。

その下には、挨拶文を書き、今回の取引に関するお礼を簡単に述べましょう。ぜひ製品の購入を検討してほしい、といったことを書いたりすることも多くあります。「平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」というビジネス文書の決まり文句は、こういった場合にも使うことができるので、覚えておきましょう。

「下記の通りお見積もり申し上げますので、何卒よろしくお願い申し上げます。」といったような一文は、必ず入れておくべきです。こういった一文がないと、見積書としては締まりが悪いですし、形式として整っていないと感じられてしまいます。

見積書の金額は記載ミスがないように確認しながら書く

見積金額は必ず間違いのないように記載しましょう。資料や明細と照らし合わせて、記載ミスがないようにしてください。見積書はこの金額を伝えるためのものですから、ここが間違っていると他のところに気を配っていても全てが台無しになってしまいます。カンマを打つ位置など、手入力する場合はいつもあまり気にしていなかったところもきちんと意識して記載するようにしましょう。また、見積金額は税込みで記載するようにします。

「納品場所」は必要な時だけ書く

納品場所とは、商品をどこで納めるかを記載する欄です。これはあらかじめ、お互いに指定している場所があればそれを書いておきます。ここでは「貴社指定場所」としているため、貸倉庫などが当てはまるでしょう。また、商品が製品ではなくサービスだった場合は納品場所を記載する必要はありません。Webデザインなどの外注ならば、納品場所は必要ないからです。

見積書では「納期」をはっきり書いておく

納期と本見積有効期限

見積書の中で、見積金額と同等に重要なのが納期です。平成○○年○○月○○日とはっきりと記載しましょう。納期をはっきりさせておかないと、後でトラブルを引き起こしかねません。納期を守った、守らなかった、といったいざこざが起きてしまってからでは遅いので、そうならないためにも納期はきちんとお互いが納得するように紙面に残しておきましょう。

また、見積書には有効期限があります。それを示すのが、「本見積有効期限」という項目です。見積書の有効期限とは、有効期限内ならば提示された金額でお互いが契約を結ぶことができるという意味を持っています。更に、有効期限が切れた場合には、もう一度見積りをすることも可能です。

ですが、有効期限内の契約の申し込みにおいて、発行者は撤回をすることができません。この一点において注意が必要です。

見積書の有効期限は一般的に2週間から半年とされていますが、こまめに確認するようにしましょう。有効期限が切れた見積書は効力を失ってしまいます。見積書の有効期限が切れたままだと、問題が発生する可能性もありますから、常に法的効力がある見積書を準備しておけるようにしておきましょう。

見積書の「品番」「品名」「数量」などの明細は分かりやすく書く

次に明細を見ていきます。明細の品番や品名は取引先に伝わるようにわかりやすく書きましょう。一部の人にしかわからないような略称、通称などではなく、正式名称を書いてください。また、製品のロット・ナンバーなどがある場合にはそれを明記しておくのも良いでしょう。取引先もどの商品のことかわかりやすくなりますし、こちらにとってもやり取りがしやすくなるため、お互いにメリットを得ることができます。

単価も記載しておきましょう。製品の単価は取引先にとって重要な情報ですから、書き洩らしがないようにしてください。全体の金額の内訳が知りたいという場合に、単価が書かれていないと見積書は意味がなくなってしまいます。単価と数量、また、その単位はしっかりと明記しておきましょう。

また、明細の合計金額と見積金額は必ず一致するように確認しておきましょう。明細の合計金額を書く時に、改めて見積金額と一致することを確認してください。金額が大きいと、それだけ目が滑る可能性も高くなります。細心の注意を払いましょう。

見積書では「消費税」「値引き」「金額」の書き方に注意する

金額の書き方

消費税は、端数を切り捨てて書くのが一般的な書き方です。消費税の欄を作る時は、端数を切り捨てて書くようにしましょう。「小計1,000円」「消費税80円」「合計1,080円」のように記載していきます。

また、値引きをした場合には、それを相手に伝えるための印をつけるか、値引きをしたことを書いておきましょう。「値引き 3000円」と直接的に書いておくのも良いですが、マークを使われることも多くあります。

「¥-3,000」「-3,000円」「▲3,000円」「△3,000円」といったように、値引きをしたことを相手に伝えるための書き方は色々ありますが、どれを使っても問題ありません。特に「△」や「▲」は数字を扱うデータではよく使われるものなので、値引きなどを表すマークだということを覚えておきましょう。

見積書の備考欄や補足欄は相手に伝えたいことがある時に書く

備考欄にはその商品だけに注意しておかなければならないことを記載しておきます。例えば、この製品だけは都合上こちらの指定する場所で納品したい、とか、品番が古い物から変わったからチェックをしておく、といった具合に、相手に伝えておかなければならないことを書くことで、注意を促す役目を持つのが、この備考欄です。

見積書の最下部には、補足欄を設けておき、何か補足したいことがあればここに書いておきましょう。どういった経緯で見積もりをしたものなのか、追加で見積もりをするべきものがあるかどうかなど、簡単なメッセージを書いておくこともあります。ここに今回の見積もりについての総括を書いておくことで、取引相手は見積りの条件を考え、参考資料などを集め、製品やサービスの購入を検討しやすくなるのです。

見積書をきちんと書けば取引先から信頼される

見積書はあくまでも取引先に商品の購入を打診するためのものであり、見積りを依頼されたという機会はビジネスチャンスです。取引先に見積書の書き方が見にくいなどといった理由で悪印象を抱かれてしまわないようにしましょう。

見積書の書き方がきちんとできていると、取引は滞りなく進むことは間違いありません。逆に、書き方がぐちゃぐちゃな見積書を提出されてしまうと、取引先は全く信頼できないと判断し、取引を反故にしようと考えるでしょう。

そうならないためにも、正しい書き方を覚えておかなければならないのです。いざ見積書を書くことを任された時に、どうすれば良いのかわからずに慌てていては、時間を無駄に使って、取引先を待たせてしまうことになります。ビジネスを円滑に進めるためにも、見積書はきちんと書けるようになっておくべきです。