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手紙の挨拶・ビジネスで使える季節感と感謝を込めた文例集

手紙の挨拶はメールなどとは違い温もりや暖かさ、感謝の気持ちがストレートに伝わります。春夏秋冬の季節感を感じられる時候の挨拶を使い分けることで「デキる社会人」を印象付けることもできますよ!難しいと感じている手紙の挨拶の使い分けを季節毎、月毎に文例として紹介します。

ビジネス相手に手紙で挨拶するのはステキなこと

さてこれから手紙を書こうと思った時に冒頭の挨拶で困ったことはありませんか?いろいろと調べてもよい挨拶の仕方が分からない人もいるかと思います。お仕事の取引先の方や職場の上司、親やお世話になっている方に手紙を送るのも素敵ですよね。
季節感のある素敵な手紙で日頃の感謝を伝えてみませんか?

ビジネス相手に手紙で挨拶をしてみよう

携帯電話の普及によって手紙を出すことが減った現代。年賀状すら出さないでメールで挨拶をすることも多いですよね。手紙にはマナーやルールがあるの?書かなくなってしまったからこそ何だか難しそうと敬遠しがちな手紙のマナーを理解して、気軽に手紙を書いてみましょう。

手紙の挨拶はメールや電話とは違う温もりがある

「したためる」という手紙にしか使わない言葉があるように、手紙は相手への思いを丁寧に込めて記すことができるものです。
手にとって見ることが出来ることが、まずメールや電話と行った形のないものと決定的に違います。いつでも読み返すことができ、手元に残る手紙にはいつまでも相手の気持ちが残るような温かさがあります

また字からも繊細、陽気、几帳面、真面目、聡明などその人のひととなりが読み取れたり、書いた時の状況が推察できたり、メールや電話にはない楽しみと良さがあるのではないでしょうか。

手紙で重要なのは最初の挨拶

手紙の中で頭語の後に来るのが時候の挨拶です。季節にふれる挨拶は手紙の持っている美しい伝統のひとつです。
時候の慣用句もありますが、自分なりの表現で季節感を出し相手に伝えると良いでしょう。そして、時候の挨拶の後には安否を気遣う挨拶が続きます。

ここでは季節ごとの情緒あふれる挨拶をご紹介していきます。かしこまった手紙には月ごとの定型句を、親しい方へのお手紙には少しカジュアルな表現を用い、手紙によって異なる表現ができるようにしていきましょう。

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春爛漫の華やかな春に書く手紙の挨拶

春はいろいろな事が始まる時期ですよね。手紙を書くことも増えるのではないでしょうか。ここでは春に手紙を書くときの挨拶についてご紹介します。

草花が咲き誇る3月の挨拶

3月は花見月と呼ばれるほど、梅・桃・桜をはじめたくさんの草花が咲き誇る季節です。花たちの開花時期は年によって異なるので、カレンダーに合わせて表現を決めるのではなくご自身が道を歩きながら目にした植物の様子を言葉で表現しましょう。
臨場感あふれる素敵な表現になることでしょう。また、変化の時期でもありますので、入学、引っ越し、仕事やプライベートにおいて良い方向に環境が変わる方にはそのことにかかるような華々しい表現を入れるのも良いでしょう。

ビジネスで使える文例

・「漂う梅の香りに春の訪れを感じる、早春の候。皆さまにはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。」
・「桃の花がかわいらしく色づいた春和の候。お変わりなくお過ごしのことと存じます。」

プライベートで使える文例

・「卒業の季節となり、凛とした袴姿の女性を見かける今日この頃。」
・「桃の節句が近づき、今年もまたお雛様にご挨拶。」
・「ひと雨ごとに寒さもゆるみ、~」

新年度で心機一転する4月の挨拶

4月はさまざまな花が咲き乱れ花を愛でるのに絶好の時期ですが、風や雨にあっけなく散ってしまうのが春の花の特徴です。安否を気遣う言葉を書くことが一般的ですが、新年度になり、手紙のお相手の心境はどのようなものか察しながら元気に仕事や日々のことに励めるような言葉を書くと喜ばれるでしょう。

ビジネスで使える文例

・「花冷えの日が続いておりますが、貴社の皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」
・「新年度がスタートし、気持ちも新たに溌剌とお仕事に励まれていることと存じます。」

プライベートで使える文例

・「すっかり春めいてまいりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますか。」
・「春らんまん。桜のピンクが町も頬も同じように染めています。」

新緑が美しい5月の挨拶

5月は新緑の緑が美しく、気候も爽やかで一年の中で一番過ごしやすい季節です。時候の挨拶では草木の様子、香や風、それらを感じ取った気持ちを表現すると良いでしょう。季節の語であるつつじ、菖蒲、すずらん、バラ、立夏、新緑、若葉、青葉など使って自分らしく言葉を綴ってみましょう。

ビジネスで使える文例

・「目に鮮やかな新緑の候、ますますご清栄のこととお慶びもうしあげます。」
・「しだいに強まる日差しに夏を感じる立夏の候、貴社におかれましてはあふれるエネルギーにますますご活躍のことと存じます。」

プライベートで使える文例

・「五月晴れの空に新緑の青葉が美しい季節となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。」
・「ゴールデンウィークの計画に心躍らせるこの頃。○○家の皆さまは楽しいご予定もう立てていらっしゃるでしょうか。」

夏真っ盛り!熱い日差しの夏に書く手紙の挨拶

夏になると気温も上がり、暑くなる時期です。その前には梅雨の季節もあります。体調面を気にして手紙を書くこともあるでしょう。ここでは夏に手紙を出す時の挨拶についてご紹介します。

じめじめ梅雨入りの6月の挨拶

6月は梅雨入りし、じめじめと蒸し暑く、気分も晴れない人も多いのではないでしょうか。気持ちが滅入ってしまいそうな時期だからこそ手紙には受け取った相手が清々しい心持になれるような表現を書きたいものです。
雨だからこそ美しく見える景色や雨のにおいみずみずしい草木の香り、五感をフル稼働して梅雨ならではの美しさを見つけていきましょう
季節の挨拶の後には、そうした天候であっても元気でいることを確信していますよという文章を繋げると良いでしょう。

ビジネスで使える文例

・「雨上がり、空に架かった虹を見つけ幸せな気持ちになっております。○○さまにおかれましては健やかにご活躍のこととお慶び申し上げます。」
・「雨の中、萌ゆる緑と紫が美しい長雨の候。貴社におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」

プライベートで使える文例

・「梅雨明けが待ち遠しいこの頃。○○家の皆さまのカラッと晴れた夏のように元気な顔が浮かびます。」
・「水滴をのせた葉やアジサイの花びら。その風情に私のこころも潤うようです。雨降る毎日も、二人のお子さんの晴れやかな笑顔で元気にお過ごしのことと思います。」
・「雨に木々のみどりや土のにおいが溶け込んで、心もリラックスしております。お変わりなくお過ごしでしょうか?」

本格的な夏が始まる7月の挨拶

7月は上旬に小暑、下旬に大暑を迎え本格的な夏となり、その厳しさから夏バテする方も増えてくる時期です。手紙を受け取る方の健康を気遣う言葉を入れたり、暑い夏に少しでも涼しくなるような言葉をそえてみましょう。
夏の月、入道雲、夕涼み、夕立、夕凪など美しい季節の言葉がたくさんあるので、取り入れて素敵な挨拶文にしましょう。

ビジネスで使える文例

・「小暑もすぎ、夏がいよいよ本番をむかえました。皆さまにおかれましてはご壮健で暑さも乗り切られていることと存じます。」
・「入道雲のそびえる盛夏の候、貴社におかれましては暑さに負けずご活躍のことと拝察いたします。」

プライベートで使える文例

・「今年も酷暑の日が続いております。夏バテなどされていらっしゃいませんか。」
・「窓に下げた風鈴の音に一時暑さを忘れます。」

イベント満載の暑い夏に贈る8月の挨拶

8月8日に立秋を迎え、暦の上では秋が始まりますが、実際には夏真っ盛り。うだる暑さの中、子どもたちは長い夏休み、大人もお盆休みと楽しく夏を満喫する人々の姿が浮かびます。元気はつらつを連想させるのも夏の季語たち。
ひまわり、あさがお、花火、夏祭りなどの話題を盛り込んでみてはどうでしょうか。下旬の処暑を過ぎたあたりから夏の終わりの気配が漂い始めると言われてきたのですが、最近は猛暑を超える酷暑が続くほどの温暖化。まだまだ夏の暑さが抜けていかないため、疲れがでてくるのもこの時期です。

朝の空気は少しひんやりとし、秋をほんの少し感じるかもしれません。手紙を受け取る方の体調を気遣う言葉を書くとよいでしょう。

ビジネスで使える文例

「季夏の候、皆さまはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」

プライベートで使える文例

「長らく会っていない間に、季節は夏となりましたが、皆さんは元気に過ごしていますか」

暑さも和らぐ過ごしやすい秋に書く手紙の挨拶

夏も終わり、季節が変わる時期。まだまだ残暑が厳しい時期ではありますが、季節の変わり目は気持ちも変わる時期でしょう。そんな時期に手紙を書くときの挨拶はどのようなものがあるでしょうか。

秋の涼しさを感じられる9月の挨拶

9月は暑い夏から秋へと移り変わる季節。残暑の厳しい上旬も、9月下旬にもなれば涼しい空気、心地よい風、少し物悲しさも漂う秋が深まりを見せます。秋の台風や繰り返される雨によって、暑さも和らぎ、過ごしやすい季節となっていく時期です。
朝晩の心地よい風、美しい秋晴れなどをご自分の言葉で表現すると良いでしょう。9月の花(キキョウ、リンドウ、ススキ、コスモス)や9月の虫(鈴虫、松虫、コオロギ)などの様子を入れると文章で季節を感じさせることができます。

ビジネスで使える文例

・「いくぶん残暑も和らぎ、すごしやすい日が多くなりました。皆さま、夏の疲れはでていらっしゃいませんか。皆さまの元気なお顔を拝見しにお伺い申し上げます。」
・「風に揺れるコスモスに秋の香を感じる爽涼の候。貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

プライベートで使える文例

・「朝晩はだいぶ過ごしやすい気候となってまいりました。ご家族の皆様は夏バテなどされていらっしゃらないでしょうか。」
・「秋の夜長に月愛でる頃。つい夜更かしなどしてはおられませんか。」「コスモスの花が秋晴れの空にそよぐ季節となりました。」

本格的な秋が到来する10月の挨拶

10月は秋を本格的に楽しめる時期です。金木犀の香が漂う秋晴れの日は心まで晴れやかになりますね。美しいこの季節を賛美する「秋晴」「秋日和」「天高く」「秋麗」などの言葉を使い、手紙を受け取った相手の気持ちも晴れるような内容を心がけましょう。
10月のイベントとしてお月見、近年ではハロウィンも定着しました。季節のイベント事を入れてもオリジナリティーに溢れた挨拶文となるでしょう。天気予報の解説を参考にするのもお勧めです。

ビジネスで使える文例

・「紅葉の候。貴社におかれましていっそうの実りの季節を迎えられていることと存じます。」
・「金木犀の香も薄らぎ、短い秋が足早に過ぎ去ろうとしています。ご多忙の毎日と伺っておりますがお風邪など召されてはいませんか。」

プライベートで使える文例

・「天高く馬肥ゆる秋とは言いますが、どんな秋をお過ごしですか。」
・「木々の葉も黄金色に色づいてきました。○○家の皆さまはもう紅葉がりに行かれましたか。」

冬の始まるを告げる11月の挨拶

11月は秋から冬への移行の時期です。11月7日頃「立冬」を迎え、一日一日冬へと向かっていきます。木枯らしが吹き、寒さが訪れるごとに物悲しさもまた感じる季節です。寂しさ漂う、情景を表すのではなく冬の訪れが楽しくなるような心温まる言葉を綴ってみましょう。

ビジネスで使える文例

・「肌寒さが身にしみる向寒の候、ますますご健勝のことと存じます。」
・「寒さの中銀杏の黄金色がいっそう鮮やかな晩秋の候、ご清栄のことと存じます。」

プライベートで使える文例

・「落ち葉が舞い、日一日と秋が深まっていくようです。皆さまお風邪など召されていませんか。」
・「年末に向けて慌ただしい時期になってまいりましたが、皆さまにおかれましてはお元気でご活躍のことと存じます。」

1年の終わりと始まりに書く手紙の挨拶

冬はと言えば年末年始が関係してくるので、手紙を書く機会が増えますよね。ここでは年末年始の挨拶についてご紹介します。

イベントが重なり気持ちがはやる12月の挨拶

12月は「師走」と書く通り、何かと忙しい時期です。イベントごとが重なり、年賀状に帰省、お正月の準備にと追われ切羽詰まった気持ちになりがちです。
手紙を受け取ったお相手の心も軽やかになるような表現を心がけてみましょう。一年間お世話になった感謝の言葉や慌ただしい時期の健康を気遣う言葉を繋げると嬉しい手紙となるのではないでしょうか。

ビジネスで使える文例

・「師走を迎えご多忙の時期、お健やかにお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。」
・「冬の陽だまりに心まで温かくなるような冬日向。皆さまお風邪など召されてはいらっしゃいませんでしょうか。」

プライベートで使える文例

・「街はクリスマスのイルミネーションに溢れています。今年のクリスマスの予定はお決まりですか?」
・「早いもので、今年も暮れようとしています。実りある一年だったのではないでしょうか。」

新しい年が動き出す1月の挨拶

1月は新しい年を迎え、新たに動き出そうと心一新する時です。縁起の良い風景や出来事を入れて、お相手の一年に幸多からんことを願い確信するような言葉を紡ぎましょう。
とても寒いこと時期に美しく咲く「福寿草、水仙、寒桜、寒椿」などを入れて元気に活躍することを願う言葉を綴るのも素敵です。

ビジネスで使える文例

・「新春の候、かわいらしい福寿草が新たな一年の吉兆となってくれております。お元気でご活躍のことと拝察いたします。」

プライベートで使える文例

・「あけましておめでとうございます。お正月はご家族でいかがお過ごしでしたか。」
・「初晴れで始まった本年。心身ともに一新し、新たな気持ちで毎日お過ごしのこと存じます。」

最も寒さが厳しくなる2月の挨拶

2月は一年の中で寒さが最も厳しい季節です。しかし、暦の上では3日に「節分」、4日頃に「立春」を迎え春の始まりを迎えます。
梅が一足先に咲き始め、東風が吹き、日足が少しずつ延び、訪れる春を感じます。明るく春を感じさせる挨拶にするとよいでしょう。

ビジネスで使える文例

・「日脚延ぶ向春の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
・「冷たい空気に一筋漂う梅の香。ますますご清祥のことと拝察いたします。」

プライベートで使える文例

・「春一番が吹き、もう寒さとはお別れかと冬の終わりを名残惜しくも感じるこの頃。皆さま元気にご活躍のことと存じます。」
・「梅のつぼみもふくらみかけてまいりました。皆さま風邪などひいていませんか?」

春夏秋冬どの季節でも使える結びの挨拶

手紙の挨拶には結びの挨拶もあります。ただし結びの挨拶は季節によって分けなくても書くことが可能です。以下の挨拶を参考にして結びの挨拶を考えてみましょう。

手紙で拝啓や謹啓を使うときの書き方・例文

相手を気遣う結びの挨拶

相手の体調や相手の仕事の繁栄を祈る挨拶はよく使いますよね。例えば以下のような挨拶で、時期や手紙を送る相手との間柄を考え使い分けするのも良いですよね。

次に繋げる挨拶

次に会うことや連絡することを約束する挨拶はよく使いますね。例えば

などが考えられます。
手紙を貰った相手をイメージできる素敵な結びの挨拶です。

時候の挨拶を春夏秋冬の季節で使い分けるための文例集

ビジネスでも感謝の気持ちを挨拶で伝えるツールは手紙が一番

今はメールやLINEなどが手紙の替わりとなるツールになっていますが、やはりお世話になった人や感謝を伝えたい人には手書きで手紙を書くと感謝の気持ちや温もりを伝えられますよね

その季節に合わせた挨拶である「時候の挨拶」は難しく考えると手紙を書くこと自体が億劫になってしまいます。形式にとらわれず、自分が感じた季節の特徴などをオリジナルの文章で書きあげるのも面白いですよ。
手紙を書くのが苦手な方も手紙で感謝を伝えてみましょう!