ファイナンシャルプランナーの仕事内容と体験談6つ

ファイナンシャルプランナーの主な仕事内容は、個人のクライアントからライフプランの問題や計画についての解決策やアドバイスを提案することです。資格がなくてもファイナンシャルプランナーとして働けますが、やはり取得しておいた方が年収が良くなったり採用されやすくなったりするでしょう。

ファイナンシャルプランナーの仕事内容と体験談6つ

ファイナンシャルプランナーの仕事を知ろう

近年「ファイナンシャルプランナー」という仕事をよく耳にするようになりましたが、実際にどのような仕事をしているのかを知っている人は多くありません。「保険会社が行うような仕事をしているのでは?」というイメージを持つ方もいますが、ファイナンシャルプランナーは似て非なる仕事です。

今回はファイナンシャルプランナーの仕事内容について詳しくまとめましたので、興味のある方や目指そうと考えている方はご覧ください。

そもそもファイナンシャルプランナーとは?

資金について顧客へアドバイスをするファイナンシャルプランナーの女性

ファイナンシャルプランナー(FP)とは、資産運用や資金計画に関するアドバイスを行う職業です。主に個人のお客様からの「子どもの教育費の為に貯金をしたい」「老後が心配だが、どれくらい貯めればよいのか」といった金銭に関する相談を受けて、クライアントの資産を分析します。

平成27年に日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が行った無料相談会では「ライフプランの立て方・考え方」「家計収支」「教育資金」「老後計画」「金融資産の運用」の5つのテーマが上位となりました(注1)。実際にファイナンシャルプランナーとして働く場合もこの5つが特に多い相談内容になると考えられます。

ファイナンシャルプランナーになるには?

ファイナンシャルプランナーは、弁護士や看護師といった働くうえで免許・資格が必要な職業とは違い、特定の免許や資格がなくても働けます。しかし、業務をこなすうえでは金融に関する専門知識が必要になるため、ほとんどのファイナンシャルプランナーは資格を取得して働いています。

学歴を不問としている求人が多いですが、大学で経済を学んできた方が有利でしょう。最低でも金融関係の資料を読んで理解できるぐらいの知識が必要です。

ファイナンシャルプランナーの資格

ファイナンシャル・プランニング技能試験は国家資格で、1級~3級まで難易度別に3種類あります。「一般社団法人金融財政事情研究会」「特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」の2つの団体が実施していますが、いずれも受験内容や受験資格などは変わりません。

受験資格

3級FP技能検定の受験資格はファイナンシャルプランナーの業務に従事している方か、従事しようとしている方なので、実質誰でも受験できます。しかし、2級以降になるとFPの実務経験が必要だったりAPFやCFP認定者だったりしないと受けられませんので、自分が受けたい級については詳しく調べましょう。

難易度

平成29年5月に実施された3級FP技能検定の合格率

入門編である3級FP技能検定の合格率は毎年50~85%前後と高く、1つ上の級である2級になると35%と他の国家資格に比べると比較的合格しやすい資格といえます。

たいていFP試験を受けるのはファイナンシャルプランナーとして働いている方ですので、知識の面も試験に向けた勉強と日々業務の中での気づきをシッカリと身につけて挑めば、心配はあまりしなくても良いでしょう。

ファイナンシャルプランナーの給料・休日

オフィスで仕事をしているファイナンシャルプランナー達

ファイナンシャルプランナーの年収や休日については、企業に勤務する場合と独立して働く場合で大きく違ってきます。また基本的に、経験年数が増えると比例して年収も増えていきますので、年収300万~1000万円以上と人によって開きがあります。行政書士などの他の国家資格も取得して、業務の幅を広げることで年収を上げている方もいます。

ファイナンシャルプランナーとして企業に勤める場合

企業に勤めている場合、大抵は8時間勤務です。しかし、ファイナンシャルプランナーはお客様の相談を受ける仕事が多いため、相手の都合によって勤務時間の増減があります。また、銀行や証券会社といった多くの金融機関は暦通りに休みですが、週末に相談会などのイベントを開催することがあるため、休日出勤する可能性も0とは言えません。

給料は会社の給与体系に寄りますので一概には言えませんが、2級以上のFP技能士資格を所持していると資格手当として基本給に1~2万円プラスされることもあります。

独立してファイナンシャルプランナーとして働く場合

独立して働く場合は勤務時間を自分で決められますので、きっちりと勤務時間を決めていない方もいます。企業で働く場合は日中に相談業務を行っていることが多いのですが、個人で働いている場合はクライアントの時間帯に合わせて夜間でも動けるので懇意にされる可能性があります。もちろん、週末を休みにしたり土日祝中心に働いたりするのも、個人なら自由に決められます。

独立して個人でファイナンシャルプランニングしている場合は、クライアントから「相談料」をいただきます。FP業務経験年数によって相談料金が変わり、平均相談料は以下のように年数に比例して上がっていきます。この相談料の他にも、提案書を作成したり手数料をいただいたりすることによって、収入を増やしている方もいます。

平均相談料(1時間あたり)

3年未満:4,100円
3~5年未満:5,600円
5~10年未満:5,800円
10~15年未満:8,200円
15年以上:8,300円

ファイナンシャルプランナーの仕事体験談

働くことで得られる経験と知識

きつね(28歳)


勤務時間は基本平日朝9時から夕方17時半までの勤務です。しかし、お客様は働いている方も多くいるため、お客様とのアポイントによっては21時過ぎに面談をすることもあります。その場合は朝の出勤を遅くしたり、残業ということで残ります。昼間の面談は主婦の方や退職された方が多く夕方以降は現役世代の方の面談が多くなるので定時で上がるためには自分でスケジューリングをしっかりとしなければなりません。休日は基本はカレンダー通りの土日祝日休みなので月に8日ほどはあります。やむ終えず休日出勤の日は代休を取りました。

仕事内容はお客様の資産背景家族構成等をヒアリングしながら今後のライフプランからみたお金の置き方を相談します。生命保険を使った学費の準備や住宅資金のための貯蓄、老後資産形成のための資産運用、相続対策までお金に関する幅広い相談を請け負います。

相談内容も多岐にわたりますし、お金に関することは日々法律や制度も変わるため勉強が欠かせません。どんなに忙しい時でも休日には勉強した知識を得るために本を読んだりするのは大変なことではありますが、得た知識は自分の実生活でも役立つので、仕事をしていてよかったとも思います。

保険代理店の仕事をしています

もりもん(32歳)


保険代理店の営業職をしています。保険商品は、ファイナンシャルプランナーの資格で学ぶことを多く活用する仕事です。

勤務時間は10時から19時が基本です。店舗でお客様への最適な保険の設計、提案が主な仕事です。イレギュラーとして、生命保険加入のお客様が亡くなった場合や、自動車保険加入のお客様で大きな自動車事故があった場合には、夜でも駆けつける場合があります。休日は月に6日ですので、隔週で週休2日になるような感じです。

お客様の人生設計に携わるため、本音を聞き出さなければいけません。子供にはどんな学校に行かせたいか、今の仕事は続けて行くつもりなのかなど、かなり踏み込んだことまで聞いていくため心を開いてもらうことが一番大変なところです。

そのぶん、その人のこれからの人生にぴったりな保険を提案し、申し込みをしてもらったときの嬉しさ、達成感はとても大きいです。 ファイナンシャルプランナーという仕事は、他人の人生に関わる仕事ですので、大変ですが、やり甲斐をとても感じられる仕事だと思います。

取引先と握手をするファイナンシャルプランナー

専門職としてのFP

すみれ(40歳)


金融機関以外のフリーのファイナンシャルプランナーの場合、おおよその勤務時間は9時から18時程度です。クライアントとのアポイントで前後することはよくあります。休日は週1、2日程度ですが、資料作成などの作業が立て込んでくると返上することはあります。

仕事内容を一言でいうと、人生におけるお金にまつわる事由すべての相談に乗って、問題があれば解決への糸口を見つけたり、必要であれば保険や金融商品を販売したりすることです。

仕事をする上で大変なことは、日本での認知度が低いことです。お金にまつわる事由を言い換えるとライフプランですが、日本にはライフプランの相談を他人(専門家)にお金を払って相談するという文化がなかったので、単に保険会社や証券会社という意味合いが強く、そのため本来中心としたい業務であるライフプランを見直したり検討したりすることがおろそかになってしまうことです。

しかしながら、昨今は資格の認知度も上がり、各方面で活躍している同業者もたくさん出てきました。弁護士や税理士に相談する前に相談できるホームドクターとして、やりがいを感じます。

FPの楽しさ

高嶺(31歳)


勤務時間9時から17時半、休日は月に10日程度、企業向けのリスク管理や従業員様のファイナンシャルプランナーをしております。

仕事で大変なことは、保険事故が立て続けに起きた場合には対応に追われることです。新規の営業活動や既存契約の更新をしながら事故対応もしなければなりませんし、相談も日々受けていますので、これら全てを同時進行させなければならないので時間がいくらあっても足りないと感じることがあります。

ファイナンシャルプランナーをしていて良かったと思うことは、自分の知識や経験が顧客にとってモロに力を発揮できるところです。社会保険にしても事故にしても世の中の常識的な部分で、自分以外の人の役に立てるのはものすごくやりがいを感じます。

顧客のビジネスマンにアドバイスをするファイナンシャルプランナー

総合的な視点をもつFP

うめさん(40歳)


勤務時間は9:00~18:00です。休日は暦通りです。仕事内容はクライアントからの心配事をお聞きして問題点を把握し、ライフイベントに沿った資金計画を立てたり資産設計したりなど、アドバイスを行います。

私は主に保険・税金・相続についてのご相談を受けていました。ファイナンシャルプランナーは金融、不動産、ライフプラン、保険、税金、相続ととにかく幅広い知識が必要となります。法改正があったりしたら常に新しい情報を入れていかなければならないし、調べる作業が大変です。なかなかご希望通りの提案ができないこともあります。

しかしファイナンシャルプランナーは専門家とは違って、いろいろな方向から見る事ができることが強みです。例えば税務上では無問題でも、社会保険上は問題があるという場合でも気付けるので、適切なアドバイスができます。必要があれば各専門家に繋げますし、総合的な判断ができるのが面白いです。

ファイナンシャルプランナーの大切な事

あさくらごろう(42歳)


勤務時間はクライアント次第なので、そんなにきっちりとは決まっていません。出来る限り速やかに依頼を遂行したいのでほとんどの時間を仕事に費やしています。また、休日も然りで仕事や依頼の流れで、自分の都合に合わせて休日を頂いています。

仕事内容はクライアントからの依頼を遂行することですが、その依頼が様々な為、弁護士関連の法律や税理士関連の法律に抵触しないよう職務を遂行します。その際に分からない事や前述のように弁護士や税理士の職域の案件はその方向の各先生方と連係して行っていきますので、各先生方との横の繋がりを持っておく事が大変重要であり、大変な事です。

良かった点は月並みですが、クライアントからの依頼を無事に終了して感謝をされた時がとてもやりがいを感じます。

ファイナンシャルプランナーの仕事内容は多岐に渡る

お金に関する相談を受けることがファイナンシャルプランナーの仕事の中心ですが、相談内容は幅広いため常に関係する方たちや勉強をしなくてはいけない大変な仕事です。しかし、クライアントが満足する仕事をこなせたときは達成感を味わえるでしょう。クライアントの人生設計のお手伝いをするファイナンシャルプランナーは、業務内容から自分の人生にも役立つ知識が沢山です。