人間関係

職場のトラブルメーカーと上手に付き合っていくためのコツ

職場にはトラブルメーカーと呼ばれるような人がいることも珍しくありません。その対応に心労が絶えないこともありますが、しっかり相手のタイプを理解しておけば上手な付き合い方ができるようになります。職場のトラブルメーカーと上手く付き合っていくためのポイントを押さえましょう。

職場にはトラブルメーカーがつきもの?

職場の働きやすさを作っていく上で欠かせないのが人間関係や仕事上のコミュニケーションですが、多くの職場ではそれを壊してしまうトラブルメーカーがいるものです。

職場にトラブルメーカーが一人いることによって、全体の士気が低下したり、仕事が効率的に進まないため何とかしたいと思うのですが、会社も合理的な理由が無ければ解雇もできず、同僚も上手く扱いきれずに放置されているケースも少なくありません。

会社によっては、トラブルメーカーから受ける害を少なくし、また少しずつ教育するために様々な方法を取っています。

まずは職場のトラブルメーカーを観察する

トラブルメーカーというのは、その名前の通り「トラブルを引き起こす人」であるわけですが、トラブルメーカーによって生じるトラブルには、職場内で発生するトラブルもあれば、出入りする業者に対してのトラブル、取引先との間でのトラブルなど様々なものがあります。

トラブルメーカーとうまく付き合ったり扱ったりするためには、どういった場面で、どのようなトラブルを起こしやすい人なのかを把握することが必要不可欠です。

「関わりたくない」という気持ちからついつい見ないようにしている人も多いのですが、自己防衛という意味でも、より良い接し方をするためにも、まずはトラブルメーカーをよく観察してみることが必要です。

職場のトラブルメーカーの主な3タイプ

職場のトラブルメーカーと言われる人には、おおよそ3つのタイプがあります。それぞれのタイプごとに接する際の注意点を見てみましょう。

1 人間関係に問題を生じさせるタイプ

人間関係に問題を生じさせるタイプは、軽率で場の雰囲気に合わない発言をしたり、また情報の伝達が正確でないために周囲との関係が上手くいかず、仕事上のやり取りにもマイナスの影響をもたらしてしまいます。

このタイプの人は、基本的には人に対する興味が強く、また周囲の人に対して影響力を発揮したいと考えている人が多いです。仕事で評価されることよりも、自分の発言で周囲がざわめいたり、状況が変わることを楽しんでいるところがあります。

噂話や悪口が好きな人も多く、何事にも食ってかかって反論するなど、何かあればすぐにそれをネタに周囲に拡散する性質の人も多いため、接する際には軽率な発言をしたり議論をしないことが重要です。また、「あたりさわりのない」対応をすることが一番の対処法となります。

2 仕事上の競争意識が強すぎるタイプ

仕事上の競争意識が強すぎるタイプの人は、仕事で他の人が評価されたり、また自分の仕事が評価されていないと感じると問題発言や問題行動が多くなります。

有能な人も多いのですが、プライドが高く、一人で様々なことを行って成果を出そうとするため、周囲との人間関係には無頓着だったり、また成果と無縁のことには協力を惜しんだり、ノウハウを共有せずに抱え込む傾向があります。

接する際にはできるだけ仕事では競わず、立ててあげることで気分よく仕事をしてもらうことが一番です。利用されることは嫌いますが、頼られるのは嫌いではないので上手におだてながら仕事をするのが良いでしょう。

3 不作法が過ぎるタイプ

不作法が過ぎるタイプとは簡単に言えばマナー、礼儀がなっていない人です。ビジネスの世界ではビジネスマナーに則って全てのことが行われていますが、そこにうまくなじむことができずに、自分の流儀を貫こうとします。

マナー違反な行動を繰り返し、同僚はもちろん、目上の人や取引先に対して敬意を払わず、常識や知識、権力的な発言を振りかざして周囲の雰囲気を悪くしてしまいます。言っていることは間違っていないし、仕事もできる人も多いのですが、自身の正当性を譲らない傾向があります。

このタイプは言葉遣いや態度がそこまで気にならない人ならうまく付き合えますが、仕事上は大事な仕事がどうしても任せられません。そして、ゆくゆくは本人の扱いに不公平感を覚えてしまい、職場の主力からは離れていって反対勢力のようになってしまいがちです。ビジネスライクに行くと嫌われがちですので、個人としてフランクな関係を作ることを意識して付き合いましょう。

職場のトラブルメーカーには鈍感な人が多い

トラブルメーカーに共通しているのは、周囲の人の感情や状況に対して鈍感であるということです。そのため、あまり自分が周囲に迷惑をかけているという認識が欠けており、特に「自分が周囲の時間を奪っている」という意識がありません。

中には愉快犯のように迷惑をかけることを楽しんでいる例外もありますが、全ての人がそういったタイプというわけではありません。鈍感な人というのは感じ方が鈍いだけであり、迷惑をかけている状況がわかれば改善することをちゃんと考えてくれます。そのため、教育する際にはひとつひとつの状況についてきちんと指摘して注意を促すことが必要です。

鈍感さは生来のものもありますが、多くの場合は教育や訓練によってある程度改善することができます。当然わかっているだろうとばかり思わず、ケースごとにしっかり教えていくことが大事です。感覚では認知や処理がうまくできないため、状況を記憶させて迷惑をかけない方法を学習させることが大切です。

当然、大前提となるのは教える人との関係が良好であることですので、つかず離れずの距離を保ちつつ、信頼関係を結んでいく必要があります。

職場のトラブルメーカーと上手く付き合うためのポイント

職場では、どんな人とも人間関係を築いていく必要があります。職場のトラブルメーカーと上手く付き合うためのポイントをいくつか紹介します。

1 言動を否定しない

トラブルメーカーは、相手が自分の言葉や行動に対して反応してくれることで喜びを感じます。特に否定された時には強い反発があったり、最悪は逆恨みされる場合もありますので、基本的に言動を否定してはいけません。

明らかに相手側が間違っているという場合は、自分でそれを指摘せずに、上司や教育係の人に言って対応してもらうようにします。

2 穏やかに接する

露骨に嫌がったり、また怒ったりすることに対して、トラブルメーカーは強く反応してきます。そうなると余計に離れてくれなくなりますので、どんな場合でも穏やかに接することを心がけましょう。

時には非常に感情を害されることもありますが、その場合でも周囲は理解してくれますので、一人で抱え込まず、上司や同僚に後でしっかり愚痴ってください。

3 適度な距離を保つ

トラブルメーカーと接するときには適度な距離を保つことが大切です。ここで言う適度な距離というのは、「仕事上のやり取りが最低限できる程度」だと考えてください。

プライベートのことなどは話さないようにしたり、お誘いなどを受けても断るようにした方が無難です。特に二人っきりの場面は注意しましょう。トラブルメーカーの人は気に入った人がいるとしつこくくっついてきますので、「この人はダメだ」と思って自然に離れていくまでは適度な距離感を保ち続けるよう意識しましょう。

4 理論的な判断や説明を心がける

働いている以上、どうしてもトラブルメーカーと一緒に業務を遂行しなくてはならない状況が発生することもありますが、もし一緒に仕事をする場合には、理論的な判断や説明を心がけましょう。

鈍感なトラブルメーカーは「阿吽(あうん)の呼吸」や「雰囲気」で仕事を一緒にしようとすると、いつの間にか考えが大きく違っていて、思わぬ結果を生じさせてしまいます。理論的に判断をしたり、説明をすることで、感覚的な判断や処理ができないように封じ込めることができます。

理屈っぽい人だと、こちらの判断や説明に対して食いついてくるかもしれませんが、ひとつひとつ了解を取り付けながら仕事を進めないと、後で大ごとになることもありますので注意しましょう。

5 システム的に封じ込める

トラブルメーカーはトラブルを起こしますが、その影響をできるだけ小さくするためにシステムで工夫することもできます。

例えば、大きな仕事は任せないようにしたり、できるだけ個人で完結する仕事(できれば専門性の伴う仕事)を任せるようにするという方法があります。

会議の際も、「反対意見などは議事録にまとめて残す」「議論の時間は報・連・相の時間とは分けて決められた時間内で行う」などと決めておけば、ひとつひとつの内容に食いつきにくくなり、全体の進行も守られます。

あまり褒められた方法ではありませんが、十分な待遇を与えてしまうというのもひとつの方法です。待遇が良くなると解雇や減給のリスクがある行為は控えるようになりますし、それ以上頑張って業務に取り組もうという気持ちも萎えさせることもできます。

職場のトラブルメーカーとは一時頑張れば上手くいく

トラブルメーカーと上手く付き合うための方法は色々ありますが、どんな方法を行うにしても「しばらく」頑張る必要があるという認識が必要です。すぐに相手が絡んでこなくなる、迷惑をかけなくなることを期待してはいけません。

しばらく対応に気を付けて頑張っていれば、トラブルメーカーも自分に対しての距離感をわかって接してくれるようになりますので、そこまでが勝負でもあります。理解し、対策をした上で時間をかけることを忘れなければ、上手に付き合っていくことができるようになるでしょう。