スタイリストの仕事内容は衣装管理が大変!経験者の声

スタイリストの仕事内容はどんなものなのでしょうか。アパレル業界や芸能界といった華やかな世界に携わる職業というイメージが強いですが、勤務時間や休みが不規則で体力勝負のハードな仕事でもあります。

スタイリストの仕事内容は衣装管理が大変!経験者の声

スタイリストの仕事は大変!

華々しい芸能界やアパレル業界で働くスタイリストの仕事に憧れる方は少なくありません。特に「大好きなオシャレを仕事にしたい!」という方にとっては、まさに夢のような職業でしょう。

そんな華やかなイメージが非常に強いスタイリストですが、実際にはどういった勤務形態で仕事をしているのか、また具体的な業務内容についてなど、リアルな内情を詳しく知る機会というのはそう多くはありません。今回はスタイリストの仕事内容や勤務形態について詳しく解説していきます。

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スタイリストの主な仕事内容

スタイリストの仕事内容はどんな相手につくかや勤務先によっても異なりますが、主に以下のような内容が挙げられます。

  • 洋服のメンテナンス、フィッティング
  • コーディネート
  • 撮影のための洋服や小物のリースのアポ入れ・購入
  • 撮影後の洋服や小物の返却・整理
  • 使用したアイテムの内容チェック

服のメンテナンスをするスタイリスト

スタイリストの仕事内容はコーディネートがメインと思われがちですが、実際のところは撮影に必要な洋服を集めるために駆け回ることが基本です。
また、ファッション誌に携わるスタイリストの場合、コーディネートだけではなく原稿チェックまでが仕事となります。

スタイリストの活躍の場は?

スタイリストの仕事は、事務所に所属する場合は事務所が紹介され請け負う形となります。フリーランスであれば特に勤務先は決まっておらず、テレビに出演するタレント専属のスタイリストやファッション誌の担当として働くスタイリストなど、様々な活躍の場があります。

また、テレビや雑誌、ウェブといったメディア業界だけではなく、ブライダル業界で働くブライダルスタイリストや、ショーなどのイベントで活躍するスタイリスト、アパレルショップやブランドショップで販売員の仕事も担いつつ働くスタイリストもいます。

スタイリストの勤務形態や休日は?

勤務形態や休日についても、フリーランスであるか事務所に所属しているかどうかによって異なります。
フリーランスの場合、クライアントからの依頼がなければ0となり、依頼が重なる時期には徹夜続きとなります。また、事務所に所属しているスタイリストであっても、派遣される仕事現場によって勤務時間は変わります。休日も週休2日と決まっているものの、急遽打ち合わせや撮影が入ることも多く、土日出勤も少なくないという声も寄せられました。

スタイリストの仕事内容のやりがい・魅力は?

スタジオで撮影準備をするスタッフ

スタイリストのやりがいや仕事を通して感じる魅力について調査したところ、やはり自分の好きなことを仕事にできるという幸せや、自分が参加した撮影でコーディネートを褒められたときの喜びを強く感じている方が多くいました。

また、スタイリストという仕事のおかげで、ショップの展示会に招待されたり、行ったことがない国を訪れたり、様々な職種の人との出会いがあったりと、人脈が広がり自分の知らない世界に飛び込めるという点も大きな魅力のひとつでしょう。

スタイリストの仕事で大変なこと・苦労は?

スタイリストの主な仕事内容は、撮影で使用する服装の管理です。特にリースしたものの場合、「タグの付け間違いは絶対にしない」「汚さないようにする」など、徹底した管理に非常に神経を使うという方が多い傾向にありました。

また、撮影に必要な洋服を準備するため都内を駆けずり回ったり、撮影なども夜中から行われたりと、様々な面で体力が要求されます。あまりのハードさに身体を壊す方も少なくありません。
その他、クライアントとの価値観や趣味が一致しない場合、なかなか提案が通らずに苦労したという方もいました。

スタイリスト経験者に聞いた仕事内容に関する体験談

実際にスタイリストの仕事をしていたという方、アシスタントの経験がある方から、詳しい仕事内容についてお話してもらいました。

20代のスタイリストの体験談

やりがいのあるスタイリストのお仕事

Marie(27歳)


中規模のドレスブランドで2年ちょっとスタイリストとしてお仕事していました。勤務時間は平日の9:00~17:00、週休2日でしたが、撮影や打ち合わせなどが突発的に入ることが多かったので、勤務時間はいつもスケジュールによって前後したり、土日もけっこう出勤していました。

お仕事の内容としては、カメラマンやアイドルなどのマネージャーさんから「こんなイメージで撮影したい、その人の雰囲気にあったコーディネートをしてほしい」などと依頼を受け、それに見合った全身のコーディネートを探すという事をしていました。スタイリストは平均して忙しい仕事でしたが、一番大変だったなという記憶として…クライアントの中にはどうしても趣味嗜好、価値観の合わない人もいるので、何を持っていっても却下するような人もいました。

ただ、長く続けていくと、ファンになってくれる人ももちろんいるわけで、私を指名して一緒にお仕事をしたい、絶対この人がいいと言ってもらえたときはスタイリストをやっていて本当に良かったなと思いました。

服を管理するスタイリスト

誰かではなく"あなた"を必要とされる幸せ

りな(25歳)


私はフリーランスで活動しているので、勤務時間や休日については、基本的に自由です。クライアント様とのアポがある場合にはそちらに合わせ、フレキシブルに対応しています。

スタイリストというのは、撮影のための洋服をリースや購入をして集め、撮影が終わったらその洋服を返却や整理をするという裏方の仕事です。カメラマン、メイクさんとのチームワークや、それぞれのやりたいことのギャップをどうすり合わせていくか、予算やクライアントの要望も考えながら進めていくことが大切です。たくさんの服をリース、返却するときには重くて、特に夏はへとへとになります。

また、場合によって夜や早朝、土日には撮影が入ることも多く、私はライターの仕事もしているため、空き時間に記事を書いたりするので、基本的にはちゃんとした休日というのはないと言えるかもしれません。

けれど、日々好きなことを仕事にしている喜びを強く感じています。自分のスタイリングを雑誌やウェブに載せていただけるということは、「この撮影には他の誰でもない"あなた"のセンスが必要」と言われている気がしてとっても幸せを感じます。

辛いけど充実した楽しい毎日

ぽぽっこ(28歳)


私はファッション専門学校を卒業してすぐにスタイリスト事務所に入り、アシスタントとして働くことになりました。基本的には週休二日制で、勤務時間は9時から19時までが決まりでしたが、仕事現場によるので時間は決められていない感じでした。

一人前になってからは、私は主にテレビ出演するタレントさんの衣装を担当していました。朝からショップへ衣装リースに行き局でメンテナンス、フィッティングをし、収録の立ち会い後に衣装を再度メンテナンスして返却作業の毎日です。その間にテロップ発注やタレントマネージャーさんへ連絡、その他スケジュールの管理とショップへのアポ取りまで、一日頭を使いフル回転で体調管理が大変です。お洋服を大きなバッグに入れて持ち歩くので肩こりも酷く、仕事によっては深夜帰宅になり睡眠も取れないことがあります。

でも、この仕事のおかげで色々な職業の方と出会えて、広がりができます。取引あるショップからは展示会に呼んでいただけたりします。普段行けない旅行も仕事ではありますが国内や海外にも行けるので楽しみの一つでもあります。アシスタントを頑張って乗り越えればすごく楽しく充実した毎日です。

30代のスタイリスト体験談

服のコーディネートをするスタイリスト

スタイリストは力仕事

あひる(30歳)


私はスタイリストアシスタントを数年経験しましたが、体調を崩しドクターストップでその道を諦めました。始発に乗り5時前には出勤し、仕事を始め決まった休憩時間や現場や仕事内容によっては昼食を食べる時間も自分で見計らって食べないと一日中休みなく都内を歩き回る事もザラでした。

休みは月に1日あるかないか。決まった休みはなく、急遽撮影が出来なくなったから休みといった休みが多かったですね。スタイリストの仕事は、特に撮影で必要な服を考えて集め準備をする事がメインです。その準備で都内を走り回っているのがアシスタントです。とにかく撮影で必要な服や小物を店に許可を得て用意し、綺麗な売り物として返す事がスタイリストの主な仕事です。

一番大変な事は服の管理でした。売り物を借りている場合が多いので、決して汚してはいけない、タグを付け間違えてはいけないなどの管理を徹底しなければなりません。

そんな大変なスタイリストアシスタントをしていてよかったと思ったのは、自分が撮影に参加した雑誌が発売しそれを見て可愛いと言う声を聞いた時です。そんな時は大変だったけどやってよかったと心から思います。

40代のスタイリスト体験談

スタイリストは体力勝負

yuko(45歳)


2~3人の方のもと、フリーアシスタントを3年ほど経験し独立しました。主にファッション誌のファッションテーマを担当。特集内容が決まり編集の方から依頼、カメラマンさんを加えての打ち合わせ、メーカーに貸出のアポ入れ、貸出、コーディネート、撮影準備、撮影、返却準備、返却、使用したアイテムの内容チェック、原稿チェックまでが流れでした。

勤務時間、休日はかなり差があります。依頼されなければ0ですし、重なれば徹夜続きです。ですから駆け出しのときは体力があることが1番かも知れません、どこでも寝られることも。ロケの場合もなにがあるかわかりませんし、臨機応変に対応するスキルも必要です。

仕事じゃなく街を歩いていても、「これ使えそう」「ここ良さそう」などアンテナを張れ、とっさのトラブルにも何か他の対処法はないかというような判断力は身についています。なにより自分に合うファッションや小物がわかるようになったというのは大きな強みです。

スタイリストは華やかなイメージだけで目指すと苦労する

「自分のオシャレのセンスが磨かれそう」「モデルさんや芸能人と仕事ができる」…スタイリストの仕事にこういった華やかなイメージを抱くのもあながち間違ってはいませんが、実際のところは体力のいる非常にハードな仕事であることがご理解いただけたのではないでしょうか。

スタイリストの仕事内容に限らず、知らない仕事に就くとなると、自分がいざ働いてみないとわからないことばかりです。イメージと現実のギャップを埋めるためにも、希望職種の事前リサーチはしっかり行いましょう。