職場で孤立してしまった状態から脱出する5つの方法

「職場で孤立してしまってつらい」といった声は、社会人の間でよく聞かれます。「もしも職場で孤立してしまったらどうしたらよいのだろうか?」という不安を抱える新入社員に向けて、職場で孤立する原因をまとめたうえで、孤立を防ぐふるまいのポイントを解説します。

職場で孤立してしまった状態から脱出する5つの方法

職場での孤立状態を脱出する方法は5つ

もしも職場で孤立状態に陥ってしまった場合は、どのように振る舞えばよいのでしょうか。孤立状態から脱出するための方法を解説します。

1.職場では誰とでも気軽に言葉を交わすようにする

エレベーターが来るのに待つ社員

ちょっとしたことでも、言葉を交わした相手に対して人間はよい印象を持つものです。エレベーターで一緒になった同僚に対して、「今日は暑いですね」といった一言を言ってみるだけでも、随分印象は変わるはずです。

2.周囲の状況に目を向けて気を配るようにする

ワークスペースでやり取りをする男女

特に新入社員は、自分の職務をこなすのに精いっぱいという人が多いです。言うまでもなく、まずは自分の職務をしっかりとこなすことが最も大切ですが、周囲の状況にも少し気を配ることを心がけてみましょう。

重い荷物を抱えて困っている人がいれば手を差しのべる、よい成果を出した人がいれば一緒に喜ぶといった振る舞いができる人は、職場で孤立することはまずないと言っても過言ではありません。

3.職場ではいつも柔らかな表情と笑顔を心がける

楽しそうに働く男の人

常に眉間にしわをよせて不機嫌な顔をしている人に、近づきたいと思う人はまずいないでしょう。仕事に集中していると表情が険しくなりがちですが、意識して表情を和らげてみることをおすすめします。

また、仕事のミーティング中やさまざまな場面において笑顔を出すようにするだけで、印象が随分変わり、同僚が話しかけやすい雰囲気になるはずです。新入社員は、明るい表情でハキハキと受け答えするだけでもよい評価が得られるでしょう。

4.声を荒げたりするなど感情的にならないようにする

叫んでいるように見える男の人の顔

いくら仕事ができても、すぐに感情的になるような人に近づきたいと思う人はいません。できるだけ刺激しないように距離をとろうと考えるのが普通です。ちょっとしたことで声を荒げていないかどうか、気分のむらを仕事中に出していないかどうかなど、客観的に自分を見つめることを忘れないでください。

また、新入社員にみられるのが、上司や先輩社員から指導を受けた際に、感情が抑えられずにすぐに涙ぐんだり、落ちこんで仕事が手につかなくなったりすることです。指導をするたびに必要以上に感情を露わにされると、指導する側はいじめているような感覚になり困ります。

腫れ物に触るような扱いを受けていると、孤立につながります。社会人として、感情をコントロールする術を身に着けておくことは大切です。

アンガーマネジメントの方法・怒りの感情をコントロールする

5.仕事に影響がなければ職場で孤立していても気にしない

ベンチに座る男の人

「会社は友達を作りに行く場所ではない、仕事をする場所だ」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。この言葉は全くそのとおりです。本来は、職場において「自分だけランチに誘われない……」などと悩む必要はないのです。

挨拶と最低限のコミュニケーションがとれていて、チームでの仕事も問題なく進められている状態であれば職場の人間関係としては十分です。職場で和気あいあいとした毎日を過ごせなくても孤立してしまっている状態を気にすることはありません。

職場においては自分の仕事を確実にこなすことに徹して、「気の置けない仲間と楽しく過ごすのはプライベート」と割り切った考え方をするのもおすすめです。

努力をしても職場の孤立状態から抜け出せない場合は?

同僚と意識してコミュニケーションをとるようにしたり、マイペースな仕事の進め方をしないようにしたりするなどさまざまな努力をしているにもかかわらず、職場での孤立状態から抜け出せないこともありえます。この場合は、自分自身ではなく職場自体に問題があるとも考えられます。

自分が職場での孤立状態を耐えることができて、仕事にも悪い影響がなければそのまま放置することも一つの手段です。しかしながら、精神的に追い詰められてしまったり、仕事を進めるうえで困るようなことが合ったりする場合は、我慢する必要はありません。

人事部やコンプライアンス部門、信頼できる上司などに、孤立状態について相談をしましょう。職場で然るべき対処法を一緒に考えてくれるはずです。どうしても状況を変えることができそうにない場合や、同じ部署で仕事を続けることがつらい場合は、部署の異動も検討に入ってくるかもしれません。

もしかしたら自分も?職場で孤立してしまう原因考えて見よう

顔が見えない廊下を通る男の人

職場で孤立する原因はいくつか考えられます。職場において、孤立状態を招くような行動を無意識にとっていないかどうかをチェックしてみることは大切です。ここではまず、職場で孤立する人の特徴についてご紹介します。

社会人なのに基本的な挨拶ができていない

挨拶は人間関係の基本です。幼稚園児でもできることですが、案外社会人になっても挨拶ができない人がいるのも事実です。職場で同僚から挨拶をされても返さないというのは論外ですが、自分から出会った人に挨拶をできているかどうか、今一度自身の行動を振り返ってみてください。

挨拶がきちんとできない人に対して、良い印象を持つ人はまずいません。気持ちのよい挨拶ができない人とは徐々に精神的な距離ができます。結果として、挨拶ができないことは職場における孤立状態を招く大きな一因となります。

気が利かないことが多く職場の人が違和感を覚えている

職場における孤立は、日頃の振る舞いに対するちょっとした違和感から始まることが多いです。たとえば、ドアを後ろに人が続いているにもかかわらず開けておかなかったり、邪魔なところで作業を続けて人の動線を遮っていたりするなど、日常のあらゆる場面で気が利かないのは問題です。

自分のことばかりを優先して協調性がない

「協調性がない」のは、職場で孤立する人の多くに当てはまる特徴と言えます。協調性があるというのは、自分の意見を押し殺してでも周囲の意見に合わせるということではありません。自分の意見を一方的に主張するのではなく、同僚と協力しあいながら状況に応じて柔軟に対応できるということです。

業種や職種にもよりますが、仕事をしていると、必ずと言っていいほど「ここが踏ん張りどき」という状況が出てきます。「手分けしてこの作業を期日までにしよう」や「どうしても今日中にここまで進めなければならないから残業してもらえないか?」といった言葉が飛び交うような場面です。

そのような状況で、自分の都合を優先した行動ばかりとる人は、協調性がないと言われても仕方がありません。

仕事の進め方が強引過ぎて問題がある

仕事ぶりが雑であったり、強引な進め方で同僚に迷惑をかけたりするなど、仕事のやり方に問題があると、職場で孤立しやすくなります。人として信頼できず、距離を置きたいと思われてしまうからです。

自分が招いた仕事上の問題を、毎回同僚にカバーしてもらっていないかどうか、迷惑をかけた際にきちんと謝罪の意を伝えているかどうかなど、自身の行いを振り返ってみましょう。

職場での孤立が自らに与える悪影響とは?

椅子に座る男性社員

職場で孤立してしまった状態になると、仕事が上手く進まないだけではなく自身にも様々な影響が現れてきます。それでは、職場での孤立はどのような悪影響を与えるのでしょうか。

不安を覚えて精神状態が悪化する

職場で孤立していて、何も気にせず平気でいられる人はあまりいないはずです。自分の何が悪かったのか考え込んだり、毎日会社に行くのが憂鬱になってしまったりする人がほとんどです。

孤立している状況に対する不安から精神状態が悪化し、仕事もうまく進められなくなってしまうなど、悪循環を引き起こすおそれがあります。

仕事に関する情報伝達がうまくいかなくなる

職場で孤立している人が一人でもいると、必要な情報伝達がなされないといった問題が出てきます。特にチームで行う仕事における情報の伝達漏れは、重大な問題を引き起こしかねません。職場における孤立は、孤立している本人だけではなく、会社にとっても実害があると言えます。

仕事に問題がなかったとしても評価が下がるおそれがある

たとえ自分の職務を問題なくこなしていたとしても、職場で孤立していると「本人に何か問題がある」ととらえられ、評価を下げられてしまうというおそれがあります。

仕事のパフォーマンスはよいのに関係のないところで評価を下げるというのは、本来あってはならないことですが、そのようなおそれがある状況に自分を置くのは得策ではありません。正当な評価を得るためにも、職場での孤立はやはり避けたほうがよいでしょう。

職場の孤立は円滑な人間関係作り成長のチャンスと捉えよう

職場において孤立するという問題について考えるとき、会社の中での振る舞いだけを考えているようでは解決しません。会社の外での日常的な振る舞いは、必ず職場におけるそれにつながっています。

毎朝、自分が住んでいるマンションの住人や掃除をしている人に挨拶をしているかどうか、駅のエレベーターで我先にと他の人を押しのけて降りようとしていないかどうかなど、自身の日頃の行いをよく振り返ってみましょう。

職場において円滑な人間関係を作ろうとする努力は、人間として、また社会人として成長するチャンスであるととらえて、自分と周囲の人がともに心地よく過ごせるような振る舞いをするように心がけましょう。