職業/働き方

コールセンターのSV(スーパーバイザー)の仕事内容とは?

コールセンターのSV(スーパーバイザー)が担っている業務をご紹介します。SVはオペレーターを取りまとめる女性に向いている管理職です。やってみたいけれどどんな業務を行っているのか分からなくてあと一歩が踏み出せない人は、ぜひ参考にしてください。

コールセンターのSVの仕事内容を教えて!

コールセンターは、必ずしも「ここになければならない」業務でないことから、比較的経費を抑えて業務を営むことができ、多くの雇用創出が期待できるとして、地方都市での誘致が進んでいます。

コールセンターのSV(スーパーバイザー)が担う業務には、どのようなものがあるのでしょうか。今回は、力のある女性にどんどんチャレンジしてほしいSVの業務をご紹介します。興味のある女性は、ぜひチェックしてください。

コールセンター業務とは

コールセンターの仕事は、電話回線を用いて、お客様の問い合わせに答えたり、セールスをしたり、情報を集めるなどの顧客対応を専門に行う窓口として行われます。

たくさんのオペレーターが、ブースと呼ばれる席に座り、ヘッドホンとマイクが一つになっているインカムを頭につけ、お客様と話をしながら話した内容や結果をパソコンで入力していくのが一般的な業務です。

業務は、証券会社や保険会社などのコールセンターのように自社の業務として行うケースもありますが、依頼を請け負って行うことが多いです。高いレベルで結果を出せるコールセンターには、様々なクライアントから仕事が舞い込みます。

コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは

SV(スーパーバイザー)とは、コールセンターに勤めるオペレーターの管理や、業績を管理する人のことをいいます。高い品質を誇るコールセンターには必ず優秀なSVがいると言われ、そのSVの存在がコールセンターの業績を左右することから、優秀なSVにはコールセンターからの引き合いが絶えません。

SV(スーパーバイザー)の仕事内容

ここでは、SVが担う一般的な仕事を見ていきます。SVが担う仕事や持つ権限はコールセンターによって異なりますが、重責であることに違いはありません。長続きせず退職していくSVが少なくないこと、一般オペレーターを大幅に超える高い報酬がそれを物語っています。

しかし、意欲的に仕事ができ、自身の能力をもっと高めたいという志を兼ね備える女性なら、その重責に「やりがい」を見出すことができます。決してできない難しい仕事ではないのです。

チームの業績を管理する

売り上げや収益の実績管理はもちろんのこと、全体のコール数、電話を取ることができなかった放棄呼、電話を取るまでに時間がかかってしまった待ち呼、すべてのオペレーターが電話中で取ることができなかったあふれ呼の数などを、様々な角度から集計し検証を行います。

検証したデータは、改善に向けて役立てます。Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)のPDCAサイクルに沿って、常に改善策を練り続けます。得たデータを元に、問題点を客観的に分析する力が問われるのです。

シフトを作成する

業績を大きく左右するのがオペレーターのシフト作成です。電話の入呼数が多い時間帯にはオペレーターの数を増やし、反対に比較的入呼数が少ない時間帯は配置人数を減らす工夫が必要です。

配置人数の調整が上手くできないと、あふれ呼や放棄呼が増え、販売機会を逃してしまったり、「いつまでたっても電話がつながらない」とクレームを引き起こすなど、業績を落とす大きな要因となります。

働き方改革が声高に叫ばれているので、オペレーターが働きやすいシフト作りも考慮します。いつもSVの頭を悩ますシフト作りは地味ですが、もっとも力量を試される業務なので、腕の見せ所と言えるでしょう。

オペレーターの勤怠を管理する

どんなに効率的なシフトを作成して「これでよし」と思っても、オペレーターの突然の休みはなくなりません。空いたブースを埋めるには、臨機応変に対応する力が必要です。

ブースの着席人数に取り決めのあるコールならシフトに穴をあけるわけにはいかないので、休みのオペレーターに連絡し出勤してもらうようにお願いする、できないときは最終手段として自分が着席するなどの対策を取ります。

できるだけシフト通りにオペレーターを配置できるように、オペレーターの体調変化やオペレーターが抱えている悩み事などに気づく力があると、不測の事態を減らすことができます。

朝礼を行う

仕事の始めには朝礼を行い、目標値や気をつけること、トラブルやクレーム情報の共有など、今日の業務についてオペレーターに指示を与えます。

このとき、オペレーターの表情をよく見ることが大切です。浮かない顔をしていたり、うわの空で何も聞いていないようなオペレーターがいたら個別に話しかけ、業務を行えるのかどうかをチェックします。

オペレーターのエスカレーションに対応する

エスカレーションとは、SVがオペレーターから相談を受ける事をいいます。オペレーターが一人でお客様対応を続けることが難しくなった時は助言を与えます。それでも対応を続けることが難しいと判断した場合は、オペレーターに代わり、SVが対応を行います。

助言を与える時は、短い言葉で簡潔に分かりやすくが鉄則です。また、対応に困っているオペレーターがいないかどうか目を配る「パトロール」は、エスカレーションを減らす効果があります。

スクリプトを作成する

お客様とのやり取りを想定したスクリプト作りはとても重要です。「ありがとうございます。○○サポート窓口××と申します。」「お客様がご利用しているパソコンのメーカー、機種名はお分かりでしょうか」「ご迷惑をおかけし申し訳ございません。ご指摘の○○が使いにくい点を、もう少々詳しく教えていただけないでしょうか。」など、伝えたいこと聞きたいことが、相手が瞬時に理解できるようなスクリプト作成を心がけます。

できるだけ通話時間を短くできるように、お客様に聞き返されない日常会話で使われている平易な言葉を使って作ることがポイントです。オペレーターが口にしやすいかどうかも考えます。

ルールが変更した場合は、スクリプトを見直しします。スクリプトの良し悪しは業績にかかわってくるため、適切であるかどうかを常に考え、適宜変更することが望ましいでしょう。

クレームやトラブルの処理にあたる

クレームやトラブルは、事がこれ以上大きくならないように率先して対応にあたります。自分たちに非がある場合は心を込めて謝罪しますが、事の是非が分からないうちは簡単に謝罪をしてはいけません。

SVは、事の経緯を余すことなく聞き取り、何が問題なのか、事を収めるためには誰がどうすべきなのかを判断し、行動する力が求められます。

オペレーターと面談をする

SVは、オペレーターと定期的または何かあれば面談を行います。業務を円滑に進めるためには、単に誤りを注意するだけでなく、個人の思いに耳を傾けてあげることが功を奏するのです。

SVとオペレーターの面談時間を「無駄な時間」と切り捨てる上司がいますが、それは本末転倒です。現場の最前線でお客様の対応にあたるオペレーターの仕事への意欲は、もっとも大切にしなければならないコールセンター業務の根幹にあたります。

オペレーターの気持ちに寄り添うことが業績アップの秘訣です。SVは、ときに理解のない上司と戦う心意気も備えていなければなりません。

オペレーターへ指導をする

成績が振るわない、お客様との会話がうまく続かない、伝えるべきことの理解が浅く適切な説明ができていない、仕事への取り組み姿勢や勤怠に問題があるオペレーターには指導を行います。

指導をする場合は、何がダメなのか問題点をはっきりと伝え、そのうえで、そのオペレーターに合った改善策を話し合います。

一方的に問題点の指摘をするだけでは信頼関係を築けないことが多いです。どうすればいい方向へ向かうのか、どうすれば意欲的に仕事に取り組んでもらえるのかを一緒に考え、オペレーターをリードしながら改善策を提案することが大切です。

オペレーターのお客様対応を改善するには、オペレーターの通話を聞くモニタリングや、SVが顧客を装い実際に電話をかけ応対レベルを確認するなどの教育が効果的でしょう。

しかし、オペレーターの対応が求めているレベルに達しない、指摘したにもかかわらず取り組み姿勢が著しく低く改善しないケースは、「不向き」であることを上司に告げる、時に厳しい決断をしなければならない場面も出てきます。

オペレーターの教育は、担当するチームやコールセンター全体の業績にかかわることから、最も力を注ぎ心を砕かなければなりません。この教育の成果をいかに業績に結び付けることができるかで、SVの能力が判断されます。

新人教育をする

新人が入社したら、業務を教えることもSVが担う仕事のひとつです。初めてコールセンター業務にあたるオペレーターでも理解しやすいようなマニュアルを作り、専門用語は解説付きで説明するなどの丁寧な教育が、のちの業績に結びついてきます。

SVがお客様役になり、オペレーターと対応の練習をするロールプレイングは、最も効果的な教育方法です。新人オペレーターの不安を少しでも和らげることができるように、失敗を恐れずに根気強く繰り返し何度も何度も行います。

報告書を作成する

行った業務を報告する日報や、区切りに業績を取りまとめて上司に提出する報告書を作成します。報告書は、結論から書き始めることがポイントです。分かりやすく簡潔に書いたら、見やすくレイアウトを整えます。

SVは、話し方のプロフェッショナルであるイメージがありますが、電話口のお客様対応だけでなく、報告すべきことを文書にまとめる力も問われます。文の表現力や語彙を増やす勉強に、常にまい進する努力が必要です。

SV(スーパーバイザー)のやりがい

コールセンターのSV業務は、やらなければならない事がとても多いハードワークです。オペレーターから頼りにされる立場なので、日頃から新しいことを学ぶ姿勢が大事です。管理者として言いたくない事も言わなければなりませんし、数字の管理に頭を痛めることもあります。

SVのやりがいは、なんといっても「オペレーターの成長」につきるでしょう。自分の指導により、できなかったことができるようになった、実績が上がってきた、オペレーターがお客様から対応をほめられた、リーダーに昇格したりするなど、成長が目に見えた時には「良かった」と思えるものです。

自分がオペレーターから頼りにされたとき、オペレーターの成長によりコールセンターの品質が上がり結果として実績に結び付いたときは、必ず「SVをやって良かった」と感じます。

オペレーターがいつもお客様と笑顔で会話して、電話の向こうのお客様に喜ばれる対応ができるように日頃からオペレーターとの距離を縮める努力を続けられる人は、SV業務にやりがいを見出せるようになれるのではないでしょうか。

SV(スーパーバイザー)が仕事で悩んだら・・・

SVも人間ですから、心が折れそうになることだってあります。オペレーターがなかなか仕事を覚えてくれない、努力しているのに成績に結びつかない、上司とオペレーターの板挟みになっている…など、管理者として悩みがつきないのは他の仕事と一緒です。

そんな時は、同じSV同士で悩みを分かち合います。悩みを共有することで、解決策のヒントが得られます。「そういう解決方法があるんだ」と、心を軽くすることができるでしょう。

もちろん、上司に相談してもいいです。SVがオペレーターの心に寄り添うように、上司もSVの心に寄り添う必要があります。

しかし、もしも上司がSVの悩みに寄り添ってくれなかったら、残念ですが自分で解決するしかないでしょう。迷い事があるなら自分を信じて選択を、良い解決策が見いだせないのなら最善と思えない策でも実行を、判断するのがSVの仕事と割り切って決断をするしかありません。

SV(スーパーバイザー)になるには勇気を持って手をあげるだけ

採用不採用は別として、コールセンターのSVになるには資格や免許は不要です。「やりたいです」と手を挙げるだけでいいです。

ただ、身分が派遣ではダメとか、オペレーターとしての実務経験を重視するコールセンターもあるので、SVになりたい人は事前に調査をするといいでしょう。

オペレーターとして勤務していたら能力を認められてSVに引き上げられたケースもあります。SV職を希望するなら、あらかじめその旨を会社に伝えておくとSVになれる可能性が高まるかも知れません。

コールセンターのSV(スーパーバイザー)業務は女性に向いている

コールセンターのSVの仕事は、オペレーターを管理する業務が中心です。人と向き合い、その人の心に寄り添いながら、日々起こる出来事に臨機応変に対応していくのが得意な人なら務まります。

細かいところに気配り目配りができ、周りの人を丁寧に且つ大らかに受け入れることが求められるSV職は、女性に向いていると言えるでしょう。

子育て中の女性に理解を示すコールセンターも増えています。興味のある人は、ぜひ挑戦してみてください。