会社に見切りをつけるタイミングは?注意すべき11の兆候

会社に見切りをつけるべきか悩んでいる人も多いですが、様々な兆候やポイントを整理して、妥当であれば退職も検討し、また改善できそうならもう少し頑張ってみましょう。参考になる視点やポイントについて紹介しています。

会社に見切りをつけるタイミングは?注意すべき11の兆候

会社に見切りをつけるタイミングを見極めよう

今は新社会人としてある企業に入社し、その企業で定年まで働くということは少なくなっています。そのため、差し迫った必要がない人だとしても、いつかは会社を離れることも考えておくべきでしょう。

その際には、よほど良い話が個人に来る場合を除いては、会社側に何かしらの問題や不満があり、それで会社に見切りをつけて辞職という形になることが多いです。会社に見切りをつけるために考えておくべきことを、頭に入れておきましょう。

会社に見切りをつけるタイミングは?

崩れる壁の下で退避に戸惑うビジネスマン

会社に見切りをつける時には、「変だな」とちょっと不安に思う段階から、「もうこの会社は離れよう」と決心する段階まで様々あります。
社内の様々な事象を不安に思うことは良好な会社でもゼロではありませんので、これを除外した場合、真剣に退職を考えるべきタイミングは大きく分けて2つです。

自分の心身に限界を感じた時

職場の労働条件やストレスなどが非常に蓄積していて、「もう耐えられない」と判断したら退職を検討し、職場環境を変えるようにするべきです。医師からのアドバイスもタイミングを知る上では参考になりますし、少なくとも会社側に医師の診断を伝えても状況に変わりがなければ早めに転職するしかありません。体を壊せば十分に勤務できずに解雇される恐れもありますし、その後の生活にも大きな不安となります。

会社の経営状態が限界だと感じた時

崩れる道から走って逃れようとする社員

どんなに自分の会社が好きでも、会社の経営状態が悪ければずっとそこにいるというのは考え物です。会社側が倒産するようなことになると、給与の未払いが発生するだけでなく、積み立ててきた退職金なども十分に戻ってこなくなる可能性が高くなります。
遅くなるほど逃げ遅れ、事態も悪くなりますので、会社に万が一のことが発生する前に、早めに会社を出る選択をするようにしてください。

見切りをつけるべき会社の特徴

「もうここにはいられない」と会社に見切りをつけるケースでは、会社側にどのような特徴があるか知っておきましょう。

1 ブラック企業である

ブラック企業というのは様々な定義が考えられますが、サービス残業が多く手当や休日などが不十分であり、また強い成果主義で人事評価のみならず、人間性の評価も成果を反映しやすいのが特徴です。長くいるほど、多くの人は心身が疲弊していきます。また、場合によっては扱っている商品やサービス、販売方法などに違法性がある場合もあり、それを上手く隠蔽する方法を教育される場合もあります。

ブラック企業か診断するためのレベル別テスト項目

2 企業風土が耐えられないほど悪い

企業風土は目に見えるものではありませんが、単純に言って職場の居心地・働き心地に大きな影響をもたらします。職場での人間関係が希薄すぎる、または派閥が多いなどもありますし、パワハラやセクハラが蔓延しやすいのも企業風土です。また、オフィスが常に散らかっていたり、就業時間中に仕事以外のことをしている人が多い、飲み会で多くのことが決まるなど様々な要因があります。

3 その後の成長性や出世に不安がある

膝まで水に浸かるビジネスマン

トップの交替などの影響で経営状態が悪くなっていたり、事業規模が小さくなっている、赤字がしばらく続いている、斜陽産業であることを認めつつも事業内容へのこだわりが強く打開策がないなど、会社の成長性に不安があるケースも注意が必要です。

また、会社の方針の場合もありますし、様々な社内での競争や人間関係の結果、望まない仕事ばかりが回ってくるケースもあり、個人として出世や能力発揮の機会がないことで会社を辞めることを考える人もいます。

4 給与の未払いや遅配がある

わかりやすく会社の状況が悪いことを知らせるのが給与の未払いや遅配です。この状況が発生すること自体が本来は雇用契約から外れているのですが、それだけ資金繰りが厳しい状況になっていることの表れです。社員には給与の未払いや遅配を行う一方で、何かの設備投資が行われている状況であれば、従業員の心が離れるのも当然です。

5 優秀な社員の流出が相次ぐ

優秀な社員の流出

会社に何か問題があったり、先行きに不安があった場合に、その前兆になるのが優秀な社員の退職が続くことです。本人たちが優秀だからこそ的確に状況を判断して退職する場合もありますし、優秀であるがゆえに一般の社員が知り得ない社内の情報を手にした結果、残るべきではないと判断することもあります。優秀な人なら転職市場でも困ることはないので、フットワークも軽く辞めていきます。

6 経営状況がしばらく改善しない

毎年黒字がベストではありますが、様々な経営環境下では赤字が発生することも時にはあるものです。しかしながら、それが毎期に渡って続き、打てると考えられる手を打っても改善しない場合にはいずれ企業の資金繰りも限界を迎えるようになります。企業の財務状況を全て知っているという社員は多くないですが、自社のバランスシートや損益計算書は読めるようにしておきましょう

7 事業内容・仕事内容が大きく変化する

経営環境の変化によって、企業が行う事業内容が大きく変わることもあります。それに伴って仕事の内容も大きく変わってしまうと、入社時には「希望する業界・仕事」で選んだはずなのに自分の望まない仕事をすることになってしまいます。また、社内の配置転換で臨まない仕事、スキルに合わない仕事に就くことになったり、評価されない仕事ばかりを振られてしまったなど、仕事内容の変化も会社に見切りをつける一因になっています。

8 商品・サービスに違法性がある

顔の見えないビジネス

会社の扱っている商品やサービスに違法性があったり、また法的にリスクがある部分に対してしっかりと対応せず、責任を放棄するような企業もあります。その事業活動に関わっているということ自体に良心が耐えられないという人も多いです。倫理観が欠如している企業は、顧客のみならず従業員に対しても何かしらのトラブルを抱えていることが多いため、会社に見切りをつけるひとつの材料となります。

9 役員が総入れ替えになる

経営不振や事業買収などによって、役員が総入れ替えになるケースがありますが、全員入れ替わってしまうと会社としてやってきたことが受け継がれることなく、新しい役員の意向によって、同じ名前で全く別の事業を行うことになる場合もあります。また、役員や上司の考えに共感して勤めてきた人の中では「自分が働きたかった会社じゃない」と退職を決意するようになります。

10 社内で会社に対する良い話が聞こえてこない

社員から常に批判や不安の声ばかりが聞こえてきている状態の企業で、良い企業はありません。社員のロイヤリティやモチベーションの低下は仕事の質や量にも影響を及ぼし、たとえ良好な成績だったとしてもいずれ傾いていきます。「火のないところに煙は立たない」ですから、その批判や不安がある理由が必ずあり、それがいずれ大きな問題になる可能性があります。

11 会社に意見をしても取り合ってくれない

もしも会社に対して問題と感じる点や、自分の健康上の問題や労働環境についての相談をしたとしても、その対応が適当で建設的ではなく、取り合ってくれないという場合もあります。こうした会社では会社をより良くしようという気持ちよりも「事なかれ主義」が強くなっていて、面倒をなるべく避け、現状維持を良しとしますので、遅かれ早かれ環境に対応できずに潰れていきます。

会社に見切りをつけた後の過ごし方

会社に見切りをつけたとしても、それで急に会社を辞めるようでは社会人失格です。「立つ鳥跡を濁さず」をモットーに身のまわりの整理を始めましょう。

1 まず引き継ぎ業務の確認をする

引き継ぎ業務の確認する女性社員

会社を辞めるにしても、しっかりと引き継ぐべき業務を確認しておきましょう。引継ぎ業務は自分で決めて、新規の仕事を増やさないように注意します。仕事を依頼する形での引継ぎ工作もありますので気を付けてください。

2 取引先・顧客などへの退職・引継ぎの挨拶をする

会社が悪かったとしても、その取引先や顧客としてお付き合いがあった人々まで問題があるのではありません。いずれビジネスの世界で一緒になるケースもありますので、しっかり挨拶をして、新しい担当者に引き継いでおきましょう。急に担当者がいなくなることが取引先や顧客には一番の迷惑です。

3 退職・転職の準備をする

会社における退職準備としては、辞表を出して引継ぎ業務を整理していくだけで良いのですが、実際に退職をするとなるとその次の仕事を探さないといけませんし、少し準備期間を置きたい場合は失業保険の要件や国保加入などもよく制度を調べておきましょう。社宅などの場合は引っ越しが必要になることもあり、また会社を辞めてしまうと部屋探しが難しくなりますので、住所や所属がしっかりしているうちに動いておくべきです。

会社に見切りをつける際には冷静に判断することを忘れずに

会社に見切りをつける場面は様々ですが、注意してほしいのは感情的に「反応」して決定するのではなく、しっかり判断した上で見切りをつけるということです。「嫌なことがあったから辞める」のは「反応」であって「判断」ではありません。

会社の商品やサービスが嫌いだとしても、それを必要としている人がいる以上は事業としては提供することに価値がありますので、反応で会社を辞めても、その後会社が急成長する可能性もあります。様々な情報を分析し検討した結果、理性的に判断して辞めることが会社に見切りをつけて成功するためには必要であることを頭に入れておきましょう。。

普段から会社に見切りをつける力を磨いておこう

会社を辞めることはできればしたくないものですが、「会社に見切りをつける」能力があることは、ビジネスパーソンとして「あるべき会社の姿を知っている」ことでもあります。その能力は自社だけでなく、取引先の選定など多くの場面で活用できるでしょう。

会社の状況を抜きにしても、それを考えてみることは自分のビジネス力を高めることにもつながります。会社に見切りをつける能力も、普段から磨いておくと良いでしょう。