退職送別会では送る側と送られる側どちらも感謝の気持ちを込めた挨拶をしよう
退職をする時に必ず行われるのが送別会です。その時に、どういった挨拶をするのかということは送る側にとっても、送られる側にとってもなかなか難しい問題でしょう。自分の持つ感謝の気持ちを正しく相手に伝えるためには、言い方をきちんと考えておかなければなりません。自分が退職をする側、送る側、どちらの立場であっても、挨拶の文言は相手のためにしっかりと用意しておきましょう。
送別会で退職する人を送る側として挨拶をする場合
送別会で、自分が退職する人を送る側に立った場合に、挨拶をする時に気をつけたいのは、あくまでも主役は送られる側である退職する人だということです。実際に例文と気をつけたいポイントを見ていきましょう。
送別会での退職する上司への挨拶の例文
○○課長、8年間大変お世話になりました。未熟な私に対して丁寧で温かいご指導やフォローをいただいたこと、感謝してもしきれません。○○課長に教えていただいたことは、これからも必ず役立てていきます。
また、数々の功績を残してこられた頼もしい○○課長の下で働けたことを、心から嬉しく思います。今後も、お身体に気をつけてご活躍なさってください。本当にありがとうございました。
退職の挨拶では何よりも仕事でお世話になったことに感謝しよう
初めに必ず述べるべきなのは、自分をサポートしてくれたことへの感謝の言葉です。上司には仕事の面でフォローしてもらっていることがあることは間違いありませんし、長く同じ仕事をしてきたのにその点について触れないのは不自然です。
自分がまだ新人だったころに上司の仕事ぶりを見て学んだことがあったなど、そういった言葉を付け加えるのも良いでしょう。送別会で大切なのは、退職する人にこれまでの感謝の気持ちを伝えることです。
短いエピソードがあればそれを付け足しても構いません。あまり長くなりすぎないように気をつければ、退職する上司も感動してくれますし、これまで一緒に働いてきたことを良い思い出だと感じてくれるでしょう。
退職する上司が素晴らしい人で、共に働けて良かったことを伝える
退職する上司が素晴らしい人であったということを伝えるのも送別会の挨拶では必要不可欠なことです。長く働いてきた人であれば、何らかの功績を残していることもありますし、また、日頃の働きぶりが素晴らしいという人もいるでしょう。
ですから、そういった人の下で働けたことを光栄に思うということを言葉にするべきです。退職してしまえば、もうその人と働く機会はありません。それを惜しむことを忘れないでください。退職する上司に対する挨拶では、あなたと働くことができて本当に良かったという気持ちを伝えることを最優先としましょう。
挨拶では上司に教えてもらったことを忘れず役立てていくことを伝える
退職していく上司からは、たくさんのことを教えてもらっているでしょう。社会に出てからのマナーだけでなく、実際に仕事の仕方を教えてもらっているのであれば、それに関しても言及するべきです。ですから、上司に教わったことを、これから先もずっと役立てていくということを伝えましょう。
教わったことを忘れないということを改めて言葉にされると、上司は必ず嬉しいと感じるでしょう。ですから、退職してもあなたのことは忘れない、ということを伝えるためにも、このことは必ず挨拶の中に含めておきましょう。
挨拶の締めくくりには労いの言葉と退職後の活躍を願う言葉をかけよう
挨拶の締めくくりには、これまでの労いとこれからの活躍を願う言葉をかけましょう。これからも頑張ってください、といった意味の言葉をかけられれば問題ありません。「今後のご活躍をお祈り申し上げます」「新天地での更なるご活躍をお祈りいたします」など、言い方は様々です。
今まで本当にありがとうございました、という言葉も使いたいところですが、「お世話になりました」を挨拶の冒頭で使ってしまっていると、使いどころに工夫が必要です。ありがとうございました、という言葉はつい使いたくなってしまいますが、濫用するとありがたみがなくなってしまいます。
ですから、できるだけ使わないようにしておいて、挨拶の締めくくりの時に使うようにするのが良いでしょう。また、退職祝いのプレゼントがあるなら、「使っていただけるとうれしいです」といった言葉もここで添えるといいでしょう。
送別会での定年退職する人への挨拶の例文
送別会では、定年退職する人を見送ることもあります。その時の挨拶で気をつけたいのは、長く勤めてきたということに対する敬意を払うということです。定年退職する人は自分よりも遥かに長いキャリアを積んでいるわけですから、それを敬う気持ちを伝えなくてはなりません。実際に例文を見ていきましょう。
この度、○○部長がご勇退される運びとなりました。○○部長は△年に入社してから、–課、**課を経たのち、営業部にて△△会社のためにご尽力なさってきました。私だけでなく、この場にいる全員が○○部長の温かなお人柄や、丁寧なご指導に何度も助けられてきました。
○○部長のおかげで、私たちは大きく成長することができました。
今後も、お身体に気をつけて第二の人生を謳歌なさってください。これまで長きに渡り、本当にありがとうございました。
「定年退職」は「勇退」と言い換えよう
定年退職という言葉は、そのまま挨拶の中で使うには少し敬意に欠けています。「定年」よりも「勇退(ゆうたい)」と言い換えた方が良いでしょう。勇退という言葉は、潔くその場を退くという意味を持っているので、ポジティブなイメージを与えてくれます。
そういったことを気にしないという人が相手であっても、周囲が気にするというのはよくあることです。送別会にはたくさんの人が集まっていますから、誰が聞いても違和感を覚えないような挨拶をするようにしましょう。
挨拶の中で退職者の経歴を述べるようにしよう
挨拶の中では、初めに必ず退職する人がこれまでどのような経歴を辿って今に行き着いたのかについて言及しましょう。定年退職する人となれば、退職する時に所属している部署に行き着くまでに違う部署に所属していた可能性が高いです。事前にきちんと調べて、それを挨拶の冒頭で話してください。
送別会に参加している人に、どういった経歴を持つ人なのかを知ってもらうことはとても大切なことです。その人のキャリアの長さを知ってもらうためにも、経歴を話すのは必要不可欠です。送別会に参加している人は、その人のことを知っている人だけではない可能性もありますから、経歴はきちんと公表しておきましょう。
挨拶では第二の人生を謳歌してくださいという言い方をしよう
「第二の人生を謳歌してください」という言い方は、定年退職をする人に向けての挨拶の定番の言い回しです。会社勤めが終わってから、定年後にまた新たに人生を始めてほしいという気持ちを込めて言いましょう。
いわば現役時代は第一の人生、定年後は第二の人生といったところです。退職はひとつの締めくくりとして考えてください。送別会はその締めくくりのためのものでもありますから、挨拶としては「第二の人生を謳歌してください」という言い方が最もふさわしいと言えます。
挨拶では長く勤めていたことを労う言葉を忘れないようにしよう
締めくくりの言葉は、「本当にありがとうございました」だけではなく、「長きに渡り本当にありがとうございました」の方が適しています。長きに渡り、という言葉を添えることで、入社から定年までという長い間会社に尽くしてきたことに対する労いの気持ちを表すことができるからです。
入社から定年までという時間は、思っているよりも遥かに長いものです。その間にはつらいことや、挫折して何度も投げ出したくなることもあったでしょう。ですが、そういったことは想像するしかできません。ですから、退職の挨拶の場では触れない方が賢明です。労いはあくまでも長く働いていたという事実のみに絞ってください。
送別会で退職する時に送られる側として挨拶をする場合
送別会では、退職する側も挨拶をする必要があります。その時には、誠意を持って見送ってくれる人達の気持ちに応えましょう。退職する側が挨拶をする時に気をつけたいこととしては、これまでのことを振り返りながら感謝の気持ちを述べることが挙げられます。実際に例文と挨拶を考える時のポイントを見ていきましょう。
退職の送別会で送られる時の挨拶の例文
本日は私のためにこのような素晴らしい送別会を開いていただき、誠にありがとうございます。また、皆さまから数々の温かいお言葉を頂戴しており、とても感謝しております。
私はこの度、○月〇日をもちまして退職する運びとなりました。ここでは素晴らしい方々に囲まれて仕事をすることができ、多くのことを学ばせていただきました。これからは、教えていただいたことを存分に活かして更に努力を重ねていきたいと思います。
本当にお世話になりました。最後に、皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
退職の送別会を開いてもらったことに対するお礼を述べよう
まず初めに、退職の送別会を開いてもらったことに対してお礼の言葉を述べることを忘れないようにしてください。送別会を開くためには相当な手間がかかっていますし、忙しい中予定を合わせて出席してくれている人も大勢います。ですから、退職の送別会を開いてくれたこと自体に感謝の気持ちを述べるべきでしょう。
既に退職することに声をかけてもらっている場合にはそのことについて言及しておこう
退職の送別会が始まるまでに、お疲れ様、など退職に関して労いの言葉をかけてもらっていた場合には、挨拶の中でそのことについて触れておくべきでしょう。挨拶の中でそれに言及しないと、少し薄情な印象を与えてしまいます。
声をかけてくれた人たちの気持ちを汲んで、挨拶の中でもそういうことがあったのだという話をしておいてください。せっかく声をかけてもらったのですから、既に温かい言葉を頂戴している、といった一言があってしかるべきでしょう。
退職する日付は正確に伝えておこう
自分が何月何日に退職するのかについてもきちんと挨拶の中で伝えておきましょう。退職の送別会の最中に、何日に退職するのかと聞かれることが頻発するのはおかしな話です。そうならないためにも、きちんといつ退職するのかについてはっきりと公表しておきましょう。
何月何日に退職するのかわからない人の送別会に参加するというのは、参加者としては違和感しかありません。周知徹底を心がけましょう。
退職するまでに今の職場で学んだことがあるということを伝えよう
これまで学んだこと、身についたことがあるということは挨拶の中で必ず述べましょう。また、実際にエピソードがあれば短めに話しても良いでしょう。ただしあまり長くなりすぎないように、簡潔にまとめるようにしてください。
所属していた部署や会社で、教えてもらえたからこそできるようになったことや、わかったことがたくさんあったということを挨拶の中で言えればベストです。
最後は「皆様のご活躍をお祈り申し上げます」で締めくくる
退職の挨拶の最後は、職場の人たちに向けてエールの言葉を残していくのがマナーです。「皆様のご活躍をお祈り申し上げます」という言い方をご紹介しましたが、他にも色々な決まり文句があります。「皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます」のように、健康について触れる言葉もあります。こちらも使い勝手が良いので、覚えておくと良いでしょう。退職の挨拶代わりにお菓子を配った人は、「お世話になりました。一口ですがお召し上がりください」の言葉も忘れないようにしましょう。
定年退職の場合に送別会で送られる側の挨拶の例文
定年退職の場合に送られる側となった時の挨拶の例文も見ていきましょう。
本日は私のためにこのような素晴らしい送別会を開いていただき、誠にありがとうございます。また、皆さまから数々の温かいお言葉を頂戴しており、とても感謝しております。
私はこの度、○月〇日をもちまして退職する運びとなりました。ここでは○年間、本当にかけがえのない仲間たちと素晴らしい時間を過ごさせてもらいました。毎日充実した日々を過ごすことができたのは、皆さまのおかげです。
本当にお世話になりました。最後に、皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
定年退職での送別会の場合は何年間働いたかを述べると良い
定年退職の場合は、自分が何年働いてきたかを挨拶で述べると、送別会に参加している人に対してどれくらいのキャリアを積んでいるのかを知ってもらうことができます。自分のことを知らない人にも、こういった人間が働いていたのだということを知っておいてほしいという気持ちを伝えられる最後の機会ですから、正確に述べておきましょう。
退職の送別会では気持ちを挨拶に乗せよう
退職の送別会では、この職場に来るのは最後なのだという寂しさもあるでしょうが、だからこそきちんと挨拶をして別れを告げましょう。そして、送る側も、職場を去る人を温かい気持ちで見送ってください。そのためにも、挨拶のポイントをきちんとおさえて、お互いが最後に気持ちよく別れることができるようにしておきましょう。